いやはや、これこそ「大天晴れ」ではないでしょうか。サッカーのイングランドプレミアリーグで、岡崎慎司選手が所属するレスターが初優勝を果たしました。昨シーズンはプレミアリーグ残留するのがやっとだったというチームがものすごく躍進したんです。
 
新聞がこのチームの躍進について象徴的に取り上げているのがブックメーカーのオッズ。毎試合の勝ち負けならチーム間の相性でオッズが変動しますが、優勝当てだとチームの実力差が正直にでてしまいます。あり得ないわけではないという評価といえばいいでしょうか、レスターにつけられた当初のオッズは5001倍だったとか。亡くなったはずのエルビスプレスリーが生きているとか、ネッシーがスコットランドのネス湖にに実在してるという都市伝説といわれるような物事が実在するかどうかの賭けよりも可能性が小さいと判断されたというわけです。
 
レスターというのは有機的なつながりを大事にしているチームっていう印象があります。そういうチームに仕立てたのはラニエリ監督。言い方が妥当とはいえないかと思いますが、ラニエリ監督はテレビドラマ「スクールウォーズ」の主人公・滝沢先生のような「泣き虫監督」のように私は見えます。イングランドの古豪・リバプールがチャンピオンズリーグで並みいる強豪をなぎ倒して注目を集めた時に「みんなよくやった!」とたびたび感涙を見せ、血の通った雰囲気を感じましたが、レスターでも「あした無失点で試合を終えたらピザをごちそうしよう」と選手に提案して実際に無失点で終えたたら本当にピザをごちそうしたというんです。そして、チーム全員で守り、全員で攻める、まるでJリーグみたいなチーム作りで成功を収めたというんです。

有機的といえば、優勝決定の瞬間は岡崎選手とともにチームの攻撃の中心を担ったバーディ選手の家に選手が集まって迎えたとか。レスターが優勝に王手をかけた試合を引き分けで終えた翌日に2位のチームが勝ち点をのばせずに優勝が確定したわけですが、その試合をバーディ選手の家に集まってテレビで見ていたそうです。こんな優勝の迎え方、日本でもアメリカでもみられないのではないでしょうか。
 
チームができて133年で初めての栄冠。日本ならば、学校創立133年の地元の名門といわれる高校の野球部が甲子園で初優勝したようなものでしょうか? レスターのお膝元はもちろん、祝福ムードに包まれていたそうです。ただ、実績を残した選手を他のチームが欲しがっているという話もあります。一変した環境で平常心を保てるかどうかという問題にも直面します。大相撲で今年の初場所で優勝し、次の大阪場所で綱取りを目指した琴奨菊のようなものです。さぁ、次の秋からのシーズンでレスターがどれだけ強くなってリーグに戻ってくるのか、楽しみです。
 
では、また次回です。
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