無観客試合といえば、サッカーで観客がほかの観客に危害を加えたり差別的な行為をしたりしたために、ペナルティーとして観客を締め出すようなものをイメージするかもしれません。しかし、アメリカでは「野球は習慣のゲーム」という伝統を守るためにと、先月メジャーリーグで無観客試合が行われました。

「野球は習慣のゲーム」というのは3日付のスポニチのメジャーリーグコラム「球拾い」で使われていたフレーズですが、なるほどと思わずうなずいてしまいました。雨で中止になることを考えてある程度余裕をもって試合日程が組まれているわけだから、観客がスタジアムに足を運べない状況ならば予備日に開催を回してもいいし、相手が同意してくれればダブルヘッダーを行うための手続きをしてもいいはず。しかし、無観客試合を決断したオリオールズは安易に逃げることを考えなかったようです。近い日程で試合が組まれていない日に穴埋めしたり、アウェイの会場でホームとアウェイを入れ替えて試合を消化させたりしてもあと1日埋まらない。そこで、オリオールズは平日昼間にもかかわらず無観客でのデーゲームを提案したということ。オリオールズのホームタウンのボルティモアでは町中を巻き込む暴動で夜間外出禁止令を含めた非常事態宣言が発せられたため、このような決断を下したというんです。

メジャーリーグでは、今回の試合が史上初の無観客試合になったとか。でも、スタジアムで行われることはほぼ一通りやったそうです。たとえば、試合開始前にはアメリカ国歌、7回開始前に「私を野球に連れてって」が録音されたものではあるものの流されたとか。このオリオールズの決断に地元の人たちは一通り歓迎しているとか。いつ終わるかわからない不安の中で、オリオールズが気持ちを明るくさせてくれるような取り組みをしたと考えれば、こういう方法だってあるんだと今後のメジャーリーグに伝えられるようになるでしょうね。

それでは、また次回です。

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