リオパラリンピックはあっという間に終盤戦。日本はいまだ金メダルゼロで、ロンドンからの連覇を逃す種目が続出しているのも継続的な強化ができているかという点で問題視されるでしょう。そして、もう一つ問題となりそうなのはお客さんの観戦態度のようです。

視覚障害者の競技は音が命。ゴールボールやブラインドサッカーではボールに鈴のようなものが仕込まれていて、その音を頼りにしてプレーをしたり、その音の出方を作戦に活用したりします。それがうまく伝わらなければプレーに精彩を欠くばかりか、選手が安全にプレーできるかどうかという問題になってしまいます。ゴールボールでは日本女子代表が予選のブラジル戦で歓声が大きくなってプレーが中断してしまうシーンが続出して、日本陣営が抗議する羽目になりました。また、ブラインドサッカーでは地元ブラジルの試合で、勝ちはしたものの歓声のせいでブラジル選手がミスを連発するありさま。地元新聞が「黙って応援するのはブラジル人にとって大きな冒険だ」と報じるまでになってしまいました。

ゴールボールは試合が始まる前に「クワイエットプリーズ!」と審判がマイクを通して観客に対して静かにするように言います。まぁ、ゴルフでもティーショットのときに「お静かに!」と書かれたプラカードをギャラリーに見せるのと同じでしょう。でも、プレーを見ているうちにテンションが上がって声をあげたくなる気持ちも分かります。ただ、マナーというのもあります。そのマナーを覚えることも魅力を知る手掛かりになるかもしれません。ベストパフォーマンスを見るためにもまた必要なことです。

では、また次回です。
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