今週もまた競馬の話です。
11日の京都競馬で12レース中11レースで外国人騎手が騎乗した馬が勝つという珍事が起こりました。前日10日の終盤2レースでも勝っていたため外国人騎手13連勝という記録も生まれました。

JRAでは1994年から最大3ヶ月まで中央競馬のレースに騎乗できる短期免許を外国出身の騎手に交付するようになり、外国人が多くのレースに騎乗しGⅠレースを制するのが当たり前のようになりました。地方競馬所属でも中央競馬の騎手に負けず劣らずの実力を持つ人もまた、中央競馬対地方競馬の対抗戦で存在感を増すようになりました。やがて、地方競馬所属の騎手と外国出身の騎手が、これまでのライセンスを放棄するのを条件に中央競馬の無期限ライセンス(一定期間の更新は必要)を試験に合格すれば取得できるようになりました。

「騎手の中途採用」が始まり、地方競馬出身の騎手や外国人騎手が年間勝利数ランキングの上位を占めるようになったのでこの日のような珍事がおきても不思議でない状況だったかもしれません。自分の馬に誰を乗せるかを決める調教師や馬主の間では「勝つためには生え抜きの騎手にこだわってはいけない」という考えが広まり、こういった騎手達へのオファーが増えたそうです。ただ、こういう考えは日本独特だという人もいるとか。中央競馬の短期免許を取得した経験があるドイツ人騎手によると、海外ではGⅠは自国の騎手に勝たせてあげたいという考えが支配的でよそ者には冷たいというんです。しかし、日本の場合は勝てる騎手なら日本人でなくてもいいじゃないかと考えられているので欧米よりも人種的にフェアだという印象があるそうです。お金を賭ける競馬だからこそ勝てる騎手ならいいという考えが成り立つのかもしれません。ただ、だからといってファンの間では生え抜きの中央競馬の騎手達を否定的にみていることはなく、「生え抜き達もガンバレ」という励ましの声も絶えないようです。切磋琢磨しあって世界に誇れる日本競馬を築けるようにしていけばいいでしょう。

では、また次回です。
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