夏の全国高校野球選手権は5日に100回大会の開会式を迎えます。1998年の80回大会から出場枠が10年ごとに増枠される(埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・兵庫が2枠に)ようになりましたが、今回はこれまで増枠対象になっていなかった福岡県にも1枠増枠されたために史上最多の56校が甲子園に集まることになりました。

それだからか、甲子園から遠ざかっていた学校が久しぶりに出場を果たしたりノーマークのチームが初出場を果たしたりして、ここ数年では見られない顔ぶれが並んだなという印象があります。現に2枠にならなかったおかげでセンバツ(春の甲子園)には何度か出場できても夏には10年出場できなかったという学校が何校かあります。そうでなくても10年連続で初戦敗退していた学校が大ブレイクして甲子園にまでたどり着いたっていう話もあれば、甲子園に届かなくても約70年ぶりに代表決定戦に進出した公立校も話題になりました。

サッカーのワールドカップでは次の2022年かその次の2026年の大会からこれまでの32カ国から16増やして48カ国が出場できるように増枠しようという話がありますが、増枠した分これまでの大会では通用しないレベルの低いチームが加わったら大会全体のレベルが低下してしまうのではないかという不安も一部でささやかれています。常連との実力差という形でも不安は説明できそうです。でも、高校野球ではこういう実力差の不安はあまり取り沙汰されてはいない気がします。

夏は春と比べて攻撃力がものを言う大会だと言われていて大差がつくケースが多くなりますが、最近は昔と違って大差がつくというよりもお互いが大量点をとりあう展開になることが多いような気がします。これまでの49代表制から55代表制に変わった途端に大差がつくケースが増えるという印象もありません。ここ数年地域間格差がなくなってきたと言われている高校野球ですから、増枠は甲子園に出場できるチャンスを広げられるというメリットの方が大きいといえるかもしれませんね。何が起きてもおかしくない100回の夏、いつも以上に楽しみたいと思います。

では、また次回です。
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