テニスの全米オープンの女子シングルスで日本選手として初の優勝を果たした大坂なおみ選手。業界的には大坂選手のメジャー制覇は時間の問題と考えられていたし、もっと言えば男子の錦織圭選手よりも大坂選手が先になるのでは…という見方もありましたから、驚きよりも遂に来たかという待望感の方が強いかもしれません。ただ、素人的にはメジャー制覇が日本人初という事実の方に強い反応があったからか、物凄いフィーバーになりましたね。

2014年の全米オープン男子シングルス決勝で敗れた錦織選手の場合、前々から期待があったからか、メジャー大会の決勝進出が史上初であっても帰国後の騒ぎは尋常でないと言われるほどではない、想定の範囲内という印象がありました。しかし、大坂選手の場合は今年に入って躍進している感じがあるとしても、前々からの期待があっても優勝ということで想定の範囲以上の騒ぎぶりになったかもしれません。大坂選手と所属契約を結んでいる日清食品が5月に放送したテレビCMではありませんが「大坂、半端ないって!」という心境でしょうか? 大坂選手の帰国後初戦となる大会は3000人のキャパシティしかない会場だったとはいえ、チケットの争奪戦が物凄いものになり、大坂選手が出場する日の当日券を求める人の行列が早朝から出来ていたとか。これまた「大坂、半端ないって!」ですね。

伊達公子さんが現役復帰宣言したとき、若い女子選手の力が伸びていないことを心配していました。高いレベルの技術はあってもフィジカル面、メンタル面の成長が伴っていないという点が特に気になっていたようですが、大坂選手の出現でこの閉塞感を打破できるようになればいいでしょう。ポジティブすぎるサーシャコーチの指導法が上からたたき込むような昔ながらの指導法を見直すきっかけになるかもしれないし、カロリーとお金がかからなければいいという食事の考え方も変わるかもしれません。

「テニスの王子様」のおかげでテニス人口が増えたと言われてしばらく経ちますが、今度は「錦織に憧れて」「大坂なおみみたいになりたい」という思いをもってテニスを志す人が増えて、日本のテニス業界が本当の意味で盛り上がるようになることを期待したいところです。

では、また次回です。
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