日本初の国際招待競走として設けられた中央競馬のGⅠ「ジャパンカップ」。39回目の今年ついに外国馬の参加がなくなったことが競馬業界では衝撃的な出来事として受け止められています。

「ジャパンカップ」の生みの親と言われるJRAの元副理事長は「優勝賞金を倍(現在は3億円)にするなり、JRAの担当者が各国の競馬団体や馬主、厩舎関係者に熱意をもって勧誘するなりして活気を取り戻してほしい」と週刊誌や新聞で語っています。日本の馬が「ジャパンカップ」よりもフランスの「凱旋門賞」や香港国際競走を下半期の目標に据える傾向や同じ距離の「凱旋門賞」の優勝タイムよりも10秒近く早くなり「ガラパゴス馬場」と一部競馬メディアでたたかれる東京競馬場の芝コースも活気を失う要因とも言われています。ファンがどうこう言っても始まらない部分がたくさんありますが、JRAがどんな改革をするのか見守っていきたいです。

ところで、日本の競馬独特のものはいろいろとありますが、馬券のシステムで独特なものといえば枠番連勝でしょうか。11日発売の週刊大衆に掲載された競馬評論家・井崎脩五郎さんのコラムで1981年の第1回ジャパンカップに参加した外国馬関係者とのエピソードがありました。欧米には枠番連勝の制度はなく逆に日本には欧米で当たり前の馬番連勝の制度がまだない(馬番連勝が日本で採用されたのは平成になってから)。そのため日本の枠番連勝をどう買えばいいかと外国馬関係者は井崎さんに相談したそうです。井崎さんはどう説明したかというと、「あなたのAは隣の馬番のBとワンチームを組んでいて、AとBのどちらかが2着までに入れば当たりになります」。団体競技でもないのにチームって変な感じがするかもしれませんし、自分が本当に応援している馬がだめでも別の馬が上位に入ればセーフなんていうルールも不思議に見えたかもしれません。でも、まだ見ぬ強敵を求めて意欲的に世界の強豪が日本に集まっていたのは間違いない事実です。ガラパゴス化といわれかねない日本の競馬が輝きを取り戻すのを期待しましょう。

では、また次回です。
[Web全体に公開]
| この記事のURL

1件中 1~1件目を表示


1