5月1日から「令和」に改元されるため平成最後の甲子園となる第91回センバツ高校野球が3日に決勝を迎え、東邦(愛知)が6-0で習志野(千葉)を破って30年ぶり5度目の優勝を果たしました。いたるところで話題になっていますが、平成元年以来の優勝となる東邦は平成最初と最後の甲子園王者となったわけです。

前にも触れたと思いますが、センバツは力のある投手を揃えたチームが強いので得点がめちゃくちゃ入る試合は少ないという傾向がありました。対して夏の甲子園はセンバツ、春・夏の地方大会と試合経験を積んで得点力が増強されるので打ち合いの試合が増えるという傾向でした。しかし、今年含めここ数年はセンバツでも大量得点の試合が増えている感じがします。1試合でホームランを2本打った選手が3人出たり相手のミスにつけ込んでいるうちにヒット数の割には多く点が入り試合時間が9回決着でも3時間近くになったりした(高校野球の試合時間は9回決着で約2時間)こともありました。24安打24得点という試合もありました。練習環境や方法が改善されてきたから得点力の落ち込みが小さくなってこういう風になったのかもしれません。

そんな中、習志野高校OBで母校の初戦を見届けた掛布雅之さんが変わった提言を3月25日付のスポーツ報知で展開しました。かいつまんで言うと「球数制限よりもバットの技術革新を」ということ。掛布さんの理想は木のバットを使うことだそうですが、資源や経費の問題で導入が難しいなら芯の幅を木のバット並みに狭くして反発力を弱めた「打球を飛ばしにくい金属バット」を使うべきだというんです。金属バットよりヒットが出にくくなるし、ピッチャーはストライクゾーンを有効利用できるようになるし…で球数を2割程度減らせるだろうという見立てを掛布さんはしています。バッティング技術やピッチング戦略の向上も間違いなく期待できますが、世界基準に近づくことも期待できるのではないでしょうか。「侍ジャパンU-18」が戦う国際大会は木のバットを使うのが基本です。金属バットからの切り替えに順応できず木のバットでバッティングの調子が落ちてしまう人が時々いますが、木のバットに近い金属バットを使えば代表で苦しむような人は間違いなく減っていくと思いますが。いろいろな意味でこれからの野球のために必要な革新になりそうです。

では、また次回です
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