第92回センバツ高校野球の開催中止が11日に発表されました。1週間前には無観客開催を前提に準備するとしていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の問題が改善されず中止の決断に至りました。太平洋戦争による「中断」はあったものの単発の「中止」はセンバツで初、夏を含めても米騒動で全国的な動乱が起きた1918年の第4回大会以来ということで102年ぶりになるとか。

新聞各社の読者アンケートを見るとどれも賛否が拮抗しています。簡単に答えが出せるものではないことがうかがえます。テレビや新聞で見た限りの上っ面な情報の流れを見ると中止を後押ししたのは2つの事実だったかと思います。
1つは高体連加盟種目の春季選抜大会が軒並み中止になったこと。中止を免れたのは正月に開催されたサッカー(全国高校サッカー選手権と全日本高校女子サッカー)とバレーボール(春高バレー)だけ。高校野球は高体連に加盟している競技ではありませんが「野球だけ特別なの?」という批判的な声が各方面からあったとそうです。
もう1つは、センバツ中止発表の前日にNPBが公式戦開幕を遅らせることを決めたことです。先週紹介したJリーグとの合同連絡会議で専門家から「予定通りの開幕は勧められない」という答申があってNPBは3月20日の開幕、Jリーグは3月後半からの公式戦再開を断念する決断をしました。高野連は「高校野球は独自の考えで決断を下す」と強気の態度を見せていましたが、特にNPBの決断を高野連は重く受け止めたかもしれません。

決断の後には救済策の検討が待っています。球界関係者の間では「初出場校と21世紀枠の学校だけ集めた特別大会を開く」「甲子園での特別練習を行う」「夏の甲子園につながる地方大会で特別シードを与える」「『中止』は暫定的なものとしておいて秋に延期する」などといった案があります。私は、何がいいか正直思いつきません。やる人たちのダメージができるだけ小さなものにすることが大事だろうとは思いますが、ここは高野連サイドがどんな答えを出すか見守るしかありません。

では、また次回です。
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