なでしこジャパンがリオオリンピック出場を逃したことは世界的にも大ニュースになりました。女子サッカー先進国ともいうべきアメリカでは「なでしこジャパンがいないオリンピックはいつもと違う雰囲気になるかもしれない。3年後のワールドカップフランス大会で成長したなでしこに(アメリカ代表が)勝つところを見てみたい」とウィットに富んだ表現で伝えたメディアもあるそうです。

しかし、日本国内では「一つの時代の終わり」「世代交代の失敗」など悲観的なリアクションが多くなっています。佐々木監督のなでしこジャパンは足かけ10年という「超」がつくほどの長期政権になりました。世代別の代表でも、もちろん男子A代表でもみられないくらいの長さです。クラブチームで10年以上の長期政権になったケースは結構あります。Jリーグでも西野朗監督のガンバ大阪が10年続きましたし、ヨーロッパではファーガソン監督のマンチェスターユナイテッドやベンゲル監督のアーセナルが長期政権として知られています。ファーガソンさんに至っては四半世紀にわたってチームの指揮をとり続けていました。

クラブチームでは1本筋の通った何かがあれば、一人の監督が長く仕事を続けてもそんなにリスクがあるものではないでしょう。ただ、代表チームというのは選手の移り変わりがかなり激しいもの。だから、ワールドカップとワールドカップの間を一区切りに考えて監督の入れ替わりが生じるのかと思います。男子の五輪代表は23歳以下という年齢制限があるからといえばそれまでですが、毎回終わればそこでリセットになります。それがなでしこの場合は長くリセットされることがありませんでした。それだけ佐々木監督の手腕が高いレベルで安定できたのかもしれませんが、世代交代が主力のけがでもない限り大幅に起こらないような弊害もあったようにも見えます。

男子の日本代表をザッケローニ監督が率いていた頃、佐々木監督とザック監督のどちらが特定メンバーへの依存度がひどいだろうか? なんてことを考えてこのブログでお話したことがあったかと思います。今考えると、世代交代の失敗はこの依存問題が原因なのかもしれませんね。

次の監督は17歳以下のワールドカップで優勝を経験した高倉麻子監督が有力といわれていますが、まずは東京オリンピックまでの4年間でどんなことをしていくかというビジョンを描いて、それに向けて全力を注いでほしいですね。JFAは男子A代表のように契約を4年とはっきりさせておいた方がいいと思いますが、そう考えるの、私だけでしょうか?

では、また次回です。

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