サッカーというのは相撲や野球以上に判定が微妙になるもの。そんなサッカーにビデオ判定が導入されました。クラブワールドカップで日本初お目見えになりましたが、何とも受け入れられるのに時間がかかりそうな気がします。

14日に行われた鹿島アントラーズとアトレチコナシオナル(南米=コロンビア)との準決勝のこと。前半30分の手前、アントラーズの小笠原選手が普通にスローインでリスタートしようとしたところ、レフェリーが両手の指で四角の形を描いて「ビデオ判定させて」とアピール。少し前にあったアトレチコ陣内の競り合いで、アトレチコの選手にPKにつながるファウルがあったかどうか、向こう正面にいた役員が持っていたモニターを見て、なんとPKを宣告しました。アトレチコ側はたまったものではありません。PKにつながるファウルがあったとは認めることなくレフェリーの近くにいた選手が束になって詰め寄ります。そんなこともあって試合はなかなか再開できず、前半のロスタイムは3分とられてしまいました。

サッカーでのビデオ判定は見た目の感じ大相撲に似ているような気がします。行司の判定が微妙に見えて物言いがつき、勝負審判たちが土俵に上がると、審判長が無線でビデオ室の役員に状況を聞く。そんな雰囲気に似ています。ただ、ビデオ判定が自分たちに不利に働いたチームの選手がレフェリーに詰め寄ったように、審判長がビデオ室に状況を聞いているときに自分が不利な判定になりそうに思った力士が審判長に詰め寄るなんてことはありませんが。

アメフトならホイッスルが吹かれた途端に判定を不服とするチームの監督が「チャレンジ」を要求するため所定の布をレフェリーめがけて投げ込みますが、サッカーの場合はレフェリーが自分の判定に確信が持てないときにビデオ室にいる役員に無線で状況を確認してもらい、それでもだめなら向こう正面のモニターへという流れ。監督なり選手が異議を唱えてビデオ判定に持ち込ますようなものではないようです。「チャレンジ」なら「よし、そこを見よう」とピンポイントに検証できるし、異議が通らなかった場合でもある程度納得できるでしょうが、この判定方法だといらいらが残りそうな気がします。

時計がしょっちゅう止まるアメフトとか、プレーの区切りが分かりやすい野球やバレーボールと違って、サッカーはプレーの区切りがわかりにくいので「チャレンジ」のような方式の異議申し立てからのビデオ判定というのは馴染みにくいかもしれませんが、少なくてもピッチ周りにいる人たちが納得できるような、スムースに試合を進められるような、ビデオ判定ができるようにしてほしいですね。

では、また次回です。

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