8日まで行われた競泳日本選手権。7月に韓国の光州で行われる世界選手権への代表選考を兼ねた大会でしたが、代表内定要件のうち個人種目での派遣標準記録をクリアできたのは8人、それより基準が緩いリレーメンバーでの派遣標準記録をクリアしたのが9人ということでやや低調と評価されています(5月末からのジャパンオープンで未決定の種目について代表選考を改めて行うことになってはいますが)。

原因としては昨年のパンパシフィック選手権・アジア大会への派遣標準記録が世界ランク上位20位以内を目安にしていたのが16位以内を目安にしたものに引き上げられたことやコンスタントにいい記録を出せる「高値安定」の選手が少なかったことが挙げられていますが、業界回りの人たちは認めたがらないようですが「池江ショック」が業界内にまだ残っていることも含まれているような気もします。大会直前に萩野公介選手も休養に入ったというのも追い打ちになったかもしれません。昨年は池江璃花子選手が日本記録を連発し、最終日の日曜日にはチケットを求める人々の行列が数百メートルに渡って続き、その行列を取材するテレビカメラが何台も並ぶありさまでした。しかし、薄情かな、人気選手がいない大会とあっては昨年並みの騒ぎにはなりませんでした。

低調と嘆くなら、マラソンのMGCのようにワンクッションを置いた選考方法をとった方がいいかもしれないと思うようになりました。そもそもマラソンの代表選びが陸連上層部の印象に残るようなレースができるかどうかにかかっていたのを、競泳のように選考レースでの派遣標準記録と順位を本位にしたわかりやすいものにしようということでMGCができたわけですが、競泳の場合はマラソンのように段階的なプロセスがありません。「日本選手権で代表内定できた人がいないならジャパンオープンでもう1回」という1本の線での代表選びではなく、いくつかの大会(日本選手権、ジャパンオープン、インターハイ、インカレ、ジュニアオリンピック、国体など)で決勝でのタイムと順位の条件を付けた上で候補を絞り込んだあとにMGCにあたる大会の決勝レースで上位2人に入れば無条件で代表内定という流れにすればいいだろうと思うわけです。勝負重視になってタイムが低調になってしまっても恨みっこなし、いいっこなしというわけです。こういう形なら勢いも安定感も両方求められる選考方法になっていいと思いますが。

では、また次回です。
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