8月開催予定だった第102回全国高校野球選手権大会が地方大会含めて中止になることが20日に発表されました。米騒動で争乱が起きた1918年、太平洋戦争が激化した1941年以来3例目とのことです。米騒動は内戦のような混乱が全国的に起きたというし、太平洋戦争は言わずもがな。新型コロナウイルスが世界的に流行した2020年もこれらのケースに匹敵する国難だったと後々にいわれるかもしれません。春夏両方の甲子園大会が実施できなかったのは太平洋戦争中の1942年から45年以来以来になります。太平洋戦争中は42年に一度だけ日本高野連が正規の大会に認定していない文部省主催の大会が行われた以外野球の灯は消えてしまいましたが2020年は野球の灯が全く消えたわけではないようです。

27都道府県の高野連では甲子園出場権を懸けない夏の大会を無観客でやろうと検討を始めているそうですし、センバツに出場予定だった東北の学校を集めた「東北センバツ」をやろうという計画も動いているそうです。また、甲子園大会がなくなりスカウトへアピールするためのショーケースがなくなったのを受け、大学向けにプロモーションビデオを作製した高校もあると聞いています。また、NPBでは12球団のスカウト活動に大きな影響を与えないために1年限定のトライアウトを実施することを検討しているとの一部報道もあります。野球の灯がほとんど消えてしまった戦時中と違って2020年の野球は多くの人々の努力で灯は消えることはないようです。

ただ、甲子園大会を中止させなくてもいい方法もあるのではないかという意見もあります。12月に全国大会をやってもいいだろうとか、かつての2次予選制度を復活させて甲子園大会の出場枠を減らしてやることもできたのではないかとか。センバツだけ中止だったらセンバツの開催時期をずらすだけで済みますが夏の甲子園も中止となると全国規模での代替大会の実施にはハードルが高くなりそうです。ですが、やる人見る人が納得できるような決断には期待したいところです。実は野球以外の競技でインターハイ中止を受けて代替大会を検討しているところがあるというのです。それは水泳で9月に「全国ジュニアオリンピックカップ」(JO)をインターハイ、全国中学大会と統合させる形で実施してジュニア世代の練習の成果を披露する場を確保しようというわけです。JOは本来8月後半に行われていますが、準備期間を確保するために延期するようです。

何かしらの形で高校球児の鍛錬の成果を見られることを今は祈るだけです。では、また次回です。
[Web全体に公開]
この記事の前後の記事(新着順)
・ついに来る
2020年06月05日  [Web全体に公開]
・こういう季節も
2020年05月29日  [Web全体に公開]
【閲覧中】歴史に残る夏
2020年05月22日  [Web全体に公開]
・普通じゃないシーズン
2020年05月15日  [Web全体に公開]
・普通に近づいているはず
2020年05月01日  [Web全体に公開]

0件のコメント