今年は無観客開催を免れた中央競馬のクラシック。その最初のGⅠで去年とは違う快挙が起こりました。12日に阪神競馬場で行われた第81回桜花賞で白毛馬のソダシが優勝。昨年12月の阪神ジュベナイルフィリーズで世界初ともいわれる白毛馬のGⅠ制覇を果たしたのに続いて、今度は世界初ともいわれる白毛馬のクラシック制覇を果たしたわけです。

白毛馬はアメリカで1860年代に発見されたのが最初で、日本では1978年に突然変異で生まれた馬が第1号とされています。しかも一般的に「白い馬」と呼ばれる葦毛の馬から生まれたわけではないそうです。ただ、レースで注目を集めるようになったのはここ10年くらいのこと。ソダシの叔母にあたるユキチャンが南関東地方競馬の重賞で3度、いとこにあたるハヤヤッコが中央競馬の重賞で1度優勝したあたりからでしょうか。この2頭がダート(砂地)コースで行われるレースばかりで実績を残すものだからダートのレースに向いている血統ではないかと思う人も多かったそうです。ユキチャンに至っては、中央競馬では4歳以上の牝馬だけで行われるダートのレースが少ないからダートのレースだけ行っている地方競馬に移籍したくらいです。

しかし、そんなイメージを打ち壊したのがソダシ。重賞レースでの優勝は全て芝コースでのものなんです。人気、話題先行と言われていたのがいつのまにやら実力も兼ね備える馬となりました。桜花賞の優勝インタビューで騎乗していた吉田隼人騎手が「話題だけで本当に強いのかとみられていたし、何とか見返してやろう」と話していたのが印象に残ります。これからは未知の領域での戦いが続きます。つまりは大きなタイトルを獲得すれば必ず「白毛馬として世界初の…」という冠がつけられるわけです。太平洋戦争までは白っぽい馬は葦毛でも敵の目につきやすいから軍馬には適さないとされ、軍馬育成の目的もあった競馬界では冷遇されていたそう。しかし、今はソダシのように白い馬が活躍できる世の中になりました。そんな世の中を謳歌したいものです。

では、また次回です。
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