大阪のABCテレビが制作・放送している「パネルクイズアタック25」がこの秋限りで終了するとの報道が24日、スポニチのウェブ版でありました。いわゆるオセロの要領で25のマスを4人が奪い合うというシンプルであっても奥深いゲームが人気を集め46年の長きにわたって放送されましたが、ついに幕を下ろすことになりました。

スタートしたのは1975年。初めはテレビ朝日系列ではなくTBS系列で放送されていました。毎日新聞資本のMBSが朝日新聞資本のNET(現在のテレビ朝日)の系列に入り、朝日資本のABCが毎日資本が比較的多く入っているTBSの系列に入っているという、いわゆる腸ねん転といわれていた時代でした。ただ、46年のほとんどはテレビ朝日系での放送。「新婚さんいらっしゃい」と共にテレ朝系の日曜午後の定番として親しまれました。日曜日にテレビを見られるときはいつもこの2つの番組を欠かさずみていましたね。

問題は極端に難しいわけではないですが、パネルの取り合いで緊張のあまりに想像もつかない獲り方をしたあとに他の人が逆転するのが面白かった。その中で司会を務めた児玉清さんが「なぜそこに?」と正直に疑問を抱いたりクイズに間違えた人に「うーん…」と一緒に悔しがったりするのも魅力の一つだったかもしれません。開始から36年に渡って司会を務めた児玉さんが亡くなり、浦川泰幸アナ、谷原章介さんが児玉さんが残したレガシーを引き継ぎ、魅力を損なうことなく放送が続きました。番組の雰囲気や空気感だけでなく、児玉さんが参加者を思いやる行動も歴代司会者やスタッフによって引き継がれたそうです。そんな番組が終わりを迎えるとは信じられません。コロナ禍で一般視聴者に募集をかけられなくなってもタレントによるゲスト大会をやってつないでいきましたが、とうとう力尽きてしまったということでしょうか?

視聴者参加型のクイズ番組は地上波ではフジテレビの「99人の壁」だけになったとか。ただ、この番組は平成初めに放送された「カルトQ」のような特定のジャンルに秀でた人たちが集まるような番組で、「アタック25」のようないろいろな知識が問われるクイズ番組はとうとうなくなったといっても良いかもしれません。その一方で日テレの「高校生クイズ」やTBSの「東大王」のおかげで高校の部活としてのクイズ研究会が増えてきているらしい。クイズの魅力を知った高校生がこの先いつまでもクイズを楽しめる環境が残ることを今はただただ祈るだけです。では、また次回です。
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