世界的な競馬の祭典の1つとされるアメリカのブリーダーズカップが5日と6日にカリフォルニア州のデルマ―競馬場で行われました。2日間で14部門のレースが行われるこの大会の賞金総額は、複数のレースを行う大会単位でUAEのドバイ国際競馬を上回る世界最高額を誇ります。そんな大会で日本馬が初めて、しかも2頭が優勝しました。

1頭目は芝2200mで行われた3歳以上牝馬の芝部門「フィリー&メアターフ」で優勝したラヴズオンリーユー。日本のオークスで優勝した後、海外のレースを何度も経験しついに栄冠を勝ち取りました。そして、騎乗した川田将雅騎手は日本人どころかアジア人初の優勝騎手になりました。もう1頭はダート1800mで行われた3歳以上牝馬のダート部門「ディスタフ」を制したマルシュロレーヌ。鼻差の競り合いを見事に制しました。普通のアングルなら判断がつかないと思ったからか、アメリカのテレビ中継では競り合いを演じた2頭をどアップにしてどっちが勝ったかを確認しようとしていたくらいの激戦になりました。

世界最高峰といわれる競馬といえばフランスの凱旋門賞を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、これは芝で行われているレースで凱旋門賞は芝の世界一を目指す戦いと言った方がいいでしょう。アメリカの競馬は芝でもある程度行われていますがダートが中心。なので、ダート競馬の世界一になることはブリーダーズカップのダート戦で優勝することを意味しているといった方がいいでしょう。ラヴズオンリーユーには申し訳ないですが、マルシュロレーヌが日本の馬で初めてダート世界一を勝ち取ったというわけです。

そんな朗報を耳にしてやる気を出してきたのは地方競馬関係者かもしれません。地方競馬ではアメリカのブリーダーズカップに倣って1日で4部門の大レースを行うJBC競走を2000年から実施し日本のダート競馬のレベルアップに尽力してきました。芝中心のヨーロッパ型番組編成を組んできた中央競馬で芝コースの適性が低く活躍の場を見いだせなかった馬たちがJBCで活路を見出し中央競馬と地方競馬が切磋琢磨するようになりました。JBCは本家同様持ち回りで毎年11月3日に開催され盛り上がっています。JBCを制した地方競馬の馬が本家でも優勝する日がきっと来ると信じているのは私だけではないでしょう。では、また次回です。
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