都市対抗野球が23日まで行われ、JXエネオスが51年ぶりとなる連覇を達成しました。決勝には3万5000人もの観衆が集まったそうです。しかし、これが甲子園の高校野球決勝だったら…。なぜそう考えたかといえば、都市対抗野球がまだ高校野球ほどの発信力がないのかなと思ってしまったんです。言い換えれば、甲子園はみんなのものになったのに都市対抗はみんなのものにまだなってないということです。

私は15年以上東京ドームへ都市対抗野球を見に行っています。お互い目いっぱいのプレーをみせ、応援団も目いっぱいのパフォーマンスを見せ、ドーム全体が盛り上がっている様子がとにかく楽しいんです。しかし、スタンドに集まっているのは出場チームの会社の人たち、先輩の活躍を見るためにユニフォームを着て集まった子どもたち、そして選手の親族くらい…。これだけじゃもったいないって思うんですよね。都市対抗は都市対抗でなく企業対抗になってしまうからこうなっても仕方ないと思うかもしれません。
わかりやすくするために比較してしまいますが、甲子園の高校野球は身の回りの人たちに限らず地域の人たちや純粋にファンだという人たちが集まり、大会期間の挨拶代わりの会話は自分の出身県の高校が勝っただの負けただのという内容になることも多いようです。都市対抗の期間中に出身県の会社が勝った負けたという話はあまり聞かないですよね(参加している会社の中なら「野球部きのう負けたね」という話になるでしょうけど)。

都市対抗が甲子園のように「誰のものともいえないみんなのもの」になるためにはどうすればいいんでしょうか? 地元の人たちの興味を向けるためにどうすればいいのかという風に命題を置き換えて考えたほうがいいかもしれませんね。そうだとすれば、地方メディアが大事になってくるだろうと思います。高校野球のようにその県から全国の舞台に立ち戦う姿を出来る限り伝えていくことが大事なんです。企業のはなしは企業と関係のない人には興味が持てないと割り切ってしまうのは違うでしょう。高校生のように純粋な気持ちで向き合っているのには変わりません。次のステージへと羽ばたいていく姿を見るのもいいものです。そういう思いをメディアが伝えることが一つ大きなきっかけになるはずです。みんなのもの、まちのものになるために、都市対抗が求められる課題は大きそうです。

それでは、また次回です。
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