アメリカでは、スポーツとギャンブルは相容れないものと考えられているらしい。しかし、メジャーリーグやNBA(バスケットボール)のコミッショナーがこの考え方を改めさせる動きにでるらしい。そんなコラムが15日のスポニチ東京本社版に掲載されました。

日本やヨーロッパでは宝くじの一種としてサッカーくじ(トトカルチョ)が定着していて、特に日本は公的な意味合いを持っています。そう、日本のサッカーくじとはtotoでありBIGであります。学校の校庭などを整備したり、生涯学習としてのスポーツを盛り上げたり、代表チームを強化したりするための資金として文部科学省の外郭団体で運営しています。ヨーロッパのサッカーくじもおそらくこういう公的機関が運営しているはずです。

しかし、アメリカの場合、ラスベガスなどカジノの運営が認められている一部の地域で、ブックメーカーのようなスポーツギャンブルが行われている程度なんだとか。全米規模に広まってはいないらしいです。なぜアメリカではトトカルチョのようなものが全土に広まらないのか? どうやら90年ほど前の「黒い霧」が原因になっているようです。メジャーリーグのワールドシリーズで、賭博師に持ち掛けられた八百長をホワイトソックスがチームぐるみで実行してしまった「ブラックソックス事件」がきっかけなんだそうです。それ以来、スポーツとギャンブルは相容れないものというか、「相容れないものであるべき」と考えられるようになったそうです。

ただ、最近メジャーリーグのコミッショナーが、「ギャンブルに対する社会の考え方が変わってきたから、スポーツを取り扱うギャンブルのあり方を検討した方がいいだろう」という考えを表明したんです。まだ「すべきだ」ではなく「やるべきかどうか考える場があってもいい」という緩やかな考え方のようなんです。またNBAのコミッショナーは「プロスポーツをギャンブルの対象にできるよう、連邦政府が法律を作るべき」と踏み込んだ考えを示しています。公的機関が運営する日本やヨーロッパのトトカルチョのようなものを全米規模でやるのもいいだろうということかと、これらから私は読みとりました。アメリカ政府の関係者も一部で興味を持ち始めているそうです。

いわゆる4大スポーツを宝くじの一種とはいえギャンブルのネタにするのは全米的には抵抗があるかもしれません。やるとしたら、やっぱりサッカーでしょうか? アメリカなら男子のプロリーグであるメジャーリーグサッカーのほかに女子プロリーグもあります。代表は男女とも北米ナンバー1、女子にいたってはなでしこジャパンと世界一の座を争い続けるような位置にいます。ただ、クラブチームの方はどうかといえば、女子はなでしこジャパンを始め各国の代表クラスが集まって活気があるようですが、男子の場合はメキシコなど中米勢の壁を破れずクラブワールドカップに出場できないでいます。国内的な興味を引きつけるためにも、サッカーくじはいいきっかけになると思いますが、アメリカ政府などはどんな判断を下すでしょうか?

では、また次回です。

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