今年は高校野球の全国大会が始まって100年のメモリアルイヤーだとか。1915年に「全国中等学校野球優勝大会」という名前で「全国高校野球選手権」すなわち夏の甲子園がスタートしたことが理由になっています。誕生当初は旧制中学の野球大会として行われていたため「中等野球」と呼ばれていました。戦前の中等学校の対象年齢は13歳から17歳だったということですから、いまではありえないことですが、小学校卒業からわずか数か月の中学1年生の選手が甲子園のマウンドで躍動していたかもしれないし、塁間を引っ掻き回していたかもしれません。甲子園球場が1924年にできる前は大阪の豊中グラウンドや兵庫の鳴尾球場などで行われていましたが、どこの会場でも鈴なりの観衆が集まっていたそうです。中等野球が高校野球に名前を変えても人気は不変のようです。

さて、高校野球100年というメモリアルイヤーの幕開けとなった第87回センバツ高校野球ですが、これまでのセンバツと違って見える印象がありますね。昔のセンバツというのは準備期間があまり長くないところで戦うためか、攻撃力にたけているチームでなくても主力投手が仕上がれば優勝できる可能性が高くなるというイメージがありましたが、最近は爆発力がないと勝負できないように見えてきましたね。おととし浦和学院が優勝したあたりからかなと思います。あのときは大会屈指の左腕といわれるエースがいましたが、二ケタ安打連発、二ケタ得点も不思議でないように見える打線が優勝への原動力になったような感じがします。それから、打力にも参加各校が目を向けるようになってきたか2けた得点で相手を圧倒するゲームが増えてきた感じがあります。これも、時代の流れかもしれませんね。

メジャーリーグのスカウトが甲子園に集まるのが当たり前になり、U-18世界選手権が世界的な重みをもつような大会になり、高校野球はワールドスタンダードへの対応が求められるようになりました。でも、高校野球はハイスクールベースボールでなくて「KOKO YAKYU」なんです。その魅力は忘れないでほしいと思います。

それでは、また次回です。
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