FIFAワールドカップロシア大会は6日からベスト8に入ります。開幕から3週間経過しましたが、戦いの場に残っているのはわずかに8カ国。あっという間です。

そんな戦いの舞台にいた日本代表は3日の決勝トーナメント1回戦でベルギーに2-3で敗れ、初のベスト8進出はなりませんでした。2点差からの逆転負けはイングランドが西ドイツにやられて以来48年ぶりだとか。「世界3位相手によくやった」という意見の人もいれば「勝てるはずの試合を落とすなんて情けない」と嘆く人もいるでしょう。サッカーより早く世界と渡り合う舞台に立ったバレーボールだと後者の方が多くなるような気がしますが、サッカーだと前者の方がまだ多い気がします。でも、昔よりも後者の意見に同調する人もいるかもしれません。

ベルギー戦の逆転負けを見て、「予選突破を確定させてたポーランド戦のように逃げ切りの戦術を図れればよかったのに」という人もいたかもしれません。専門家の間ではベルギー戦では2点リードした後どうするかという想定が出来ていなかったからひっくり返されたとの見方が大勢を占めているみたいですが、一度出来たことを出来ないはずはないと反発する人もいそうな気が。まぁ、ポーランド戦で13分ほどボールを回し通して試合の勝ち点よりも予選突破を優先させた西野監督の選択は「勇気ある決断」「今までの日本が出来なかった高等戦術」と賞讃される一方、「セコい」(予選突破を逃したセネガル陣営から「日本が勝ち点、得失点差、総得点で並んでもフェアプレーポイントの差で順位が上になる規定を悪用した」とFIFAに意見書を提出されたとか)「見ていてつまらない」と批判も集まっていたわけで、もう1回やろうにしても失敗したらどうしようという不安がつきまとっていたかと。

とはいえども、こういう選択をするような日本人監督が現れるのは隔世の感があります。男子A代表の戦いだからこういう選択もあり得るけど女子だったらあり得ないという人もいるのではないかと。澤穂希さんがなでしこジャパンの中心的な存在だった頃は特にそうでしたが、爆発的な攻撃力を持ちさえすれば高等戦術はいらないという考えはまだ多少ありますし。「辛かったら私の背中を見て」と伝えていたという澤さんのような選手がチームを牽引していたら、西野さんが指示しても聞き入れず勝ち点1を得て文句なしの勝ち抜けを狙っていたようにも思うのですが…。

さぁ、帰国後に待っているのは2022年、次のワールドカップカタール大会を目指しての監督人事。就任間もない西野さんを続投させるか、西野さんはあくまでもハリルさんの代理だから別の人を探すかのいずれかになりそうです。なでしこジャパンの佐々木則夫さんのようにワールドカップ2回、オリンピック2回経験するほどの長期政権を期待するほどではないですが、継続的な強化を考えるなら西野さん続投という線もあるでしょう。シドニーオリンピックの男子代表監督も務めたトルシエさんや現在のなでしこジャパン監督の高倉麻子さん(U-20、U-23代表の監督を掛け持ちした時期あり)のように東京オリンピックの男子代表監督も務める森安一さんに掛け持ちしてもらうというという案も無茶なものとは言えなさそうです。外国人だとドイツ人のクリンスマンさんの名前もあがっているとか。サッカーはこれからも続きます。期待を持ち続けていきましょう。

では、また次回です。
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