ジャニーズ事務所のジャニー喜多川代表が9日に87歳で亡くなり、翌日はニュース番組も情報番組もこの話題一色になりました。また、スポーツ紙は中日の石橋選手が高卒ルーキーとしてセ・パ分立後球団初となるスタメンマスクをかぶり、プロ初安打初打点の活躍をみせた試合を1面にした東京中日スポーツ以外の5紙がトップの扱いになりました。本当に大きな出来事なのかと実感しました。

60年近くの長きにわたって、しかも途切れることなく時代をリードするアイドルを送り出してきたジャニー代表の千里眼というか時代感覚は誰もまねできないかもしれません。ジャニーズ全体でミリオンセラーとなった作品数は12、私は意外に少ないと思いました。だって、AKB48だけで40作近くになるし、乃木坂46、欅坂46に広げて秋元康プロデュース作品のミリオンを数えれば50を超えてしまいます。ただ、歴史的な背景が違っているため単純に比較するのは乱暴かもしれません。48グループと坂道シリーズの場合は握手券や選抜総選挙の投票権目当てに何枚も買う人がいるから簡単にミリオンセラーにできるという特殊性があるとはいえ、時代的に言えばCDやダウンロードで音楽を気軽に楽しめる状況になりミリオンセラーが出やすくなりました。しかし、ジャニーズで初のミリオンセラーが生まれた80年代は現代と比べるとまだ気軽とは言えず、この頃に達成したミリオンセラーというのは世の中に本当に知れ渡った証拠と言えるかもしれません。また、秋元プロデュースのグループは知名度の広まり方が限定的というか深く狭いのに対して、ジャニーズの場合は深く広く知名度が広まっていくのでミリオンセラーの作品数が秋元作品の4分の1以下であっても影響力が大きいような気もします。

48グループの研究生は全体で100人程度ですがジャニーズJrは300人もいるとか。48グループの場合は正規メンバーになればチームAなどといったチームのどれに入るかというだけになりますが、ジャニーズの場合はジャニー代表が適材適所を見極めたうえで新たなグループを次々と作っていたとか。交換留学という形で乃木坂のメンバーがAKBに一時的に加わったりAKBのメンバーがSKE48のメンバーを掛け持ちをしたりするようなケースがあっても48グループの一員という位置づけが変わることはない。一面的という感じでしょうか。それに対してジャニーズの場合はグループそれぞれのコンセプトを明確にしていって多面的なアクションをしていけた。それがジャニーズの強みだったかもしれません。ジャニーさん亡き後のジャニーズでもこのような展開を続けていけるのでしょうか? 欽ちゃんこと萩本欽一さんが追悼のコメントで「たくさんアイドルを育てたけど一番大事なジャニーさんを育ててないよとツッコみたい」と記していたのが印象に残ります。

では、また次回です。
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