現地時間の1日、アメリカ・メジャーリーグが大揺れに揺れました。大谷翔平選手が所属するエンゼルスの先発投手陣の一角を担っていたスカッグス投手が遠征で訪れていたテキサス州の宿舎で急死したのです。この日にも試合が予定されていましたが、エンゼルスの対戦相手だったレンジャースの関係者が中止にすることを発表し監督が弔意のコメントを発表するという異例ずくめ対応がとられました。翌日の試合は行われましたが、エンゼルスの選手や監督はスカッグス投手の思い出話をかわしてから試合に向かったとか。事件性はないといわれていますが死因はわかっていません。

今回は死因がまだわかっていませんが、1980年代あたりだとアスリートの突然死の原因としてドーピング違反になる薬物の過剰摂取が疑われることがありました。ドーピング検査では違反が見つからなかったのに突然死のあとに検死してみると薬物摂取のあとが見つかったということがあり、フェアプレーの担保のためだけでなくアスリートの生命を守るためにもドーピングをやらせないようにしようという考えが広まりました。そのおかげか、最近でこそこういう原因とみられる突然死が少なくなりました。
また、一般の人より脈拍が少ないのに血液の拍出量が多い、いわゆるスポーツ心臓で引き起こされるという循環異常で突然死したという人も昔はいました。ただ、最近は運動量を心拍数に合わせてコントロールして負担を少なくするように考慮する仕組みが構築されるようになって突然死が一時期よりかはなくなってきたような気がします。こういった取り組みの精度を高めていくことがスカッグス投手のような人を出さないようにする足掛かりになるかもしれません。

ただ、新手のドーピングが原因で命を落としたという人が現れないとは言い切れません。それに極限以上の鍛錬にこだわる人が全くいないとは言い切れません。当事者意識がないところで言ってしまいますが、こういったことを遠ざけるための努力をするのが当然だと思われるような人が圧倒的多数になることを祈る以上のことはありません。

では、また次回です。
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