先週の続きのような話です。アメリカの競馬の話を私が知る限りでしていきたいと思います。日本の競馬には農水省直轄の特殊法人であるJRAが主催する中央競馬といくつかの自治体が共催することが多い地方競馬とあります。芝のレースが中心の中央競馬はヨーロッパ流のやり方を取り入れているのに対して、地方競馬はダートだけで行う競馬場がほとんどということでアメリカ流のやり方を多く取り入れています。

例えば、クラシックと呼ばれる3歳限定のビッグレース。中央競馬では上半期に性別不問のものと牝馬限定のものを2つずつ、下半期にそれぞれ1つずつ実施します。最近は制度改革が進んでいてその限りではありませんが、制度構築当時のヨーロッパのスタイルを踏襲しています。地方競馬もヨーロッパのスタイルでクラシックを実施していた時期が長く続きましたが、1990年代の終わりごろから「ダート競馬の地方競馬はダート競馬の本場であるアメリカのやり方を見習うべき」という声が大きくなり、3歳クラシックレースをアメリカ同様上半期に集中して行う地域(遅くても7月前半まで)が多くなりました。

競馬場がアメリカ流になったところもあります。地方競馬の競馬場はほとんどがダートコースのみになっていますが、岩手県の盛岡競馬場は中央競馬の競馬場同様に芝コースも併設されています。しかし、中央競馬の競馬場と逆で内側に芝、外側にダートコースが配置されています。これがアメリカ流です。ブリーダーズカップに芝の部門がいくつかあるようにアメリカでも芝の競馬が行われてはいますが、メインはダートの競馬ということもあってか、スタンドに近いところにダートコースが配置されているのかもしれません。

前回の繰り返しになりますが、アメリカを見習って成熟していく地方競馬の馬たちがブリーダーズカップやクラシックのケンタッキーダービーなどアメリカの大レースで勝つことが最大の夢になるでしょう。その夢にたどり着くことを待ちたいです。では、また次回です。
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