現在は楽天イーグルスの会長であり、
ヴィッセル神戸の会長でもある三木谷さん。
経営者としても「会議は英語でやろう」なんてことを提唱しています。
ビジネスで成功を収めていても、
スポーツにまつわる経営はうまくいかないことがいろいろあるようです。
特筆すべきは2005年。
三木谷さんにとっては踏んだり蹴ったりの年だったかもしれません。
昭和29年以来の高橋ユニオンズ以来という
球界新規参入を果たした楽天イーグルスはダントツの最下位。
そして、J1にいたヴィッセル神戸はJ2降格ときました。
ホーム最終戦終了後のセレモニーでは
四方からブーイングを浴びせられたからというわけではないでしょうが、
涙で挨拶の声を詰まらせてしまうようなシーンがありました。
新聞によれば、
「公の場で三木谷さんが涙するのを初めて見た」と側近は驚いたとか。

イーグルスは試合の成績は残せなくても
営業的には初年度黒字計上ということである程度の結果を出せましたし、
宮城県民への浸透の早さはものすごいものでした。
2リーグ12球団体制消滅の危機を救っただけではなく、
球界の地方分権を決定づけたことでも
プロ野球という業界で一定の成果を見いだしました。
しかし、ヴィッセルについていえば、
既存のチームカラーを「楽天カラー」(エンジ)に塗り変え、
大物選手の補強に手を出してしまうようなやり方に
ついていけない、快く思わないサポーターが少なからずいたといいます。
それにJ2降格なんですから
サポーターの怒りは見事に爆発してしまったようです。

イーグルスの初代GMであるマーティーキーナートさんは
三木谷さんに
現実路線のチームづくりでメジャーリーグのアスレチックスを
アリーグ西地区の強豪に成長させていく行程を綴った
「マネーボール」という本を差し出したといいます。
前の体制から買収してヴィッセルの経営に乗り出したはいいが、
大物頼みのチーム作りでひどい目に遭ってしまった三木谷さんに
「イーグルスでは同じ失敗をしないで欲しい」
というメッセージをキーナートさんは送りたかったのかもしれません。
「2、3年で結果を出したいが、どうすればいいですか?」
と三木谷さんがキーナートさんに質問したときにキーナートさんは
「スポーツの仕事はITみたいに簡単に答を見いだせるものじゃない」
と答えたといいますし。
ヴィッセルは安達さん、イーグルスは島田さんにそれぞれ実権を委ねて、
三木谷さんはヴィッセルの代表、イーグルスのオーナーではなく
会長としてそれぞれのチームにある程度の距離をとるようになると、
それぞれの専門性を確保できるようになったからか、
チーム力がだんだんと上向いてきました。
しかし、イーグルスの元監督である野村克也さんは
「楽天(イーグルス)だけは勝つための投資ではなく、
利益を上げるための投資ばかりしている」
とか「星野(仙一監督)はフロントに金を使わせないと」
とまだ楽天イーグルスのやり方に疑問を呈しています。
ヴィッセルの方は実力がある韓国人やブラジル人を補強したり
ドイツで出場機会に恵まれなかった大久保選手を獲得したりして
チーム力をあげています。
もしかしたら、
ノムさんはこういう人を獲得するためのお金の使い方を
イーグルスに期待しているんでしょうね。
来年に向けてということで
イーグルスは松井稼頭央選手や岩村選手と元メジャー選手を獲得しました。
ヴィッセル的な補強法で
星野楽天はチーム状態を上向きにさせられるでしょうか?

さぁ、ヴィッセルはまたJ1残留に向けて土俵際にたたされています。
三木谷さんを泣かせないためにも、
あの浦和レッズに恐れることなく思いっきりぶつかっていって欲しいもんです。

では、また次回です。
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