23日に横浜でシンクロの大学大会「マーメイドカップ」が行われました。そこで今年からインカレの一環としてこの大会が実施されることも発表されました。それで、いろいろ考えたことがあります。

インカレといえば、大学の誇りを懸けた戦い。競泳の男子総合優勝には天皇杯が贈られるくらいすごい大会なんです。ですから、競泳の日本代表として世界水泳でメダルを獲得した選手の中には、自分の記録を伸ばすことよりもチームが天皇杯を手にすることを第一に考えて大会に臨むという人もいるというんです。大学によっては数人とはいえ応援団とチアリーダーが駆けつけるんです。ここまでヒートアップするようなインカレにシンクロはどう融合するのか、気になるところなんですよね。

マーメイドカップが始まった頃、「大学の大会」ではなくて「大学生の大会」という印象の大会でした。大学は違っても同じクラブ同士のデュエットを組むのは当たり前、表彰式では違う大学の選手として表彰を受けていても着ているジャージは同じクラブのもの。どの大学の選手が演技をはじめてもプールサイドにいる選手全員で応援の煽りをするのもまた当たり前。現在は同じクラブでも違う大学同士のデュエットやチームは基本的にオープン参加扱いになったりするなど「大学の大会」らしくするためのレギュレーション整備が進められていますが、まだまだ問題があるようです。

まずは立場の話。シンクロには「大学生選手」が少なく「社会人選手」が多いんです。大学生でも練習拠点にしているクラブ所属の選手として選手登録しているからです。シンクロというのは技術の成熟がモノをいう競技ということで、学校単位では育成のための時間が少なすぎると思われがち。なのでクラブが幅を利かせていたようです。でも、インカレ出場のための要件は第1種登録が大学の水泳部にあること。なので、水連サイドは「ニセ社会人」ともいうべきクラブに第1種登録を置いている大学生選手を大学に移すように呼びかけて欲しいと力説していましたね。

次は選手のレベル。年々高まっていますが、デュエット、チーム競技だとまだまだ力の差が大きいような感じがします。違うクラブで同じ大学の選手が演技を合わせるのに時間が限られている現実を考えたら力の差は埋まりきらないかもしれませんが、各大学で練習できる環境をできるだけ整備したりして、出来る限りの演技を作り上げるための努力ができればいいですよね。

選手にとっては、好きな曲、好きなやりかたで楽しく演技できる舞台が「マーメイドカップ」だといいます。そういったよさを大事にしつつ、大学の誇りをかける熱さを感じられるような舞台になってほしいです。

それでは、また次回です。
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