プロボクシングの団体で最も長い歴史をもつのがWBA。ここから分裂していくことでいくつも世界チャンピオンを認定する団体できたわけです。日本ではつい最近までWBAとWBCしか認定されていなかったですが、現在はWBOとIBFも認定されるようになり、世界標準に追いつきました。そんな中、老舗団体のWBAが1年かけて大掛かりな改革に乗り出すそうです。

WBAは暫定チャンピオンを出しにくくして、1つの階級に1人のチャンピオンが残るようにするというんです。正規のチャンピオンがけがや病気でWBAが設けた期限内に防衛戦ができなかった場合に、ランキングの上位者や正規チャンピオンに最後に負けた人が暫定チャンピオンを決める試合をやっていました。暫定といっても、チャンピオンになれればベルトはもらえるし、「世界チャンピオン」の肩書を持つこともできます。しかし最近は、対戦期限をわざと破ってくみしやすい暫定王者と王座統一戦をするように仕向ける正規王者が増えてきたようで、「世界チャンピオン」と名乗れる人たちが増え、「世界チャンピオン」の威光が保たれるのかという疑問を抱く人も出てきました。日本人や日本のジムに所属する外国人はそういう駆け引きに乗り出すことは少ないですが、欧米では多いようです。

確かに、暫定王者が何人も出てくると、正規王者が誰なのか、いつまでに統一戦をやらなければいけないかとか、わかりにくく混乱してしまいます。それに統一戦の主導権をめぐるお金の争いで興ざめしてしまうところもあります。お互いに力を最大限だせるような環境を作ったうえで統一戦ができれば理想ですが。

プロレスラーのマイクパフォーマンスで「チャンピオンは2人もいらないんだよ!」というフレーズがありますが、確かにチャンピオンは2人もいりません。ただ、正規チャンピオンの体調に問題があるのに無理やり防衛線をやらせるのも問題。そういう状況だったら暫定王者を認めることも当然必要です。誰でも納得できるような制度に確立できるように期待します。

では、また次回です。
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