平昌オリンピックはいよいよ大詰め。団体競技のメダル決定戦が残るくらいになってくるとテレビの放送時間は必然的に少なくなり、何となく寂しさを感じてくるような気もします。日本のメダル獲得総数はこれまで最多だった長野大会の10個を上回りました。前回触れた部分を蒸し返すところではありますが、長野の時と比べると、メダルが決まったからといっても無条件に「良かったね」とはならないで期待していた色より悪い色となると「ダメだったね」とか「負けたか」という落胆の意識が強くなっているような。まぁ、スピードスケートの小平奈緒選手、フィギュアの羽生結弦選手がもし負けて「ダメだったか」と思うならば、陸上のウサインボルトくらいの人が100mで金メダルを取れなかったときに「負けたか」と思うのと同じで、世界標準で考えればそれは当たり前だととらえてもいいのかなとも思っていますが。

さて、日本ではあり得ないというか「あってはいけない」といわれてしまうかもしれませんが、欧米ではオリンピックも賭けの対象となっていて、ブックメーカーがオッズという形で選手を評価しています。それを見ていると、お金が関わっているから評価は冷静だし厳しいなと思うところがあるし、日本にわりと甘い評価をしているなと思うところもありました。日本勢がメダルを獲得した種目からいくつかピックアップしてみます。(オッズは10betのもの)

フィギュア男子シングル
1番人気 宇野昌磨 2倍
2番人気 羽生結弦 2.25倍
メディアの予測でもアメリカのスポーツ専門シンクタンクの予測でも羽生選手が宇野選手よりも上(羽生銀、宇野銅)と評価されていましたし、別のブックメーカー、ウイリアムヒルでは羽生・宇野両選手が同率2位となっていました(1位はネイサンチェンで2.87倍、羽生・宇野は3.25倍と拮抗)。9日にあった団体の男子ショートで宇野選手が参加選手で唯一の100点越えをしたので評価が逆転したかなとおもいきや、この数字は大会前のもの。羽生選手が必ず復活するという根拠がないから宇野選手の方が評価が高いと考えられたのかもしれませんね。

スピードスケート女子1500m
1番人気 高木美帆 1.66倍
2番人気 ブスト(オランダ) 5倍
オリンピックによる中断前のワールドカップシリーズで4戦4勝でいくつか出る個人種目の中では特にメダルの期待は高いといわれていても、ここまで高木選手の評価が高くなっているとは思ってもいませんでした。スピードスケートでいえば、小平選手のオッズでも「へぇーっ」って思ってしまいました。
500m 1.2倍(1番人気)
1000m 1.5倍(1番人気。銅メダルだった高木選手は4番人気の評価で8倍)
ワールドカップシリーズで前のシーズンから15連勝という500mでこの数字というのは納得ですが、1000mでもこの数字になるとは。まぁ、小平選手が世界記録を更新したばかりだし、ワールドカップシリーズで敗れたレースというのも誰かにタイムで負けたのではなくて自分の転倒によるものだからこれくらい評価してもいいだろうとブックメーカーは考えたのかもしれません。ちなみにアメリカのシンクタンクは小平選手の1000mについては銀と予測していました。

その一方で厳しい評価を突きつけられたのはジャンプ女子で銅メダルを獲得した高梨沙羅選手。
1番人気 ルンビ(ノルウェー) 1.44倍
2番人気 アルトハウス(ドイツ) 4倍
3番人気 イラシュコ(オーストリア)5倍
4番人気 高梨沙羅 5.5倍
イラシュコ選手がオリンピック中断前最後のワールドカップシリーズで優勝したから順位を落としたのかもしれませんが、1番人気と比べて3倍以上の数値の開きができるくらい厳しい評価を下したのは、今シーズンのこれまでの低迷ぶりを考えたら仕方ないのかなとも思いますが。

では、また次回です。
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