7月25日に行われた夏の甲子園岩手代表決定戦で、大船渡が163㎞エース佐々木朗希投手の出番が来ないまま敗れたことが大きな話題になりました。そのことだけでも炎上してしまいましたが、国保監督が「佐々木の故障のリスクが特に高くなったので投げさせなかった」と試合後の会見でコメントしたため炎上がしばらく止まらない状況になってしまいました。

翌日付のスポーツ報知のインタビューで横浜高校の渡辺元智総監督が「(本来なら佐々木を投げさせて当然の状況だが)どこか故障していたのではないか」との見解を示していました。渡辺さんの見立てと国保監督のコメントを合わせて考えると私は腑に落ちた感じがします。故障のリスクというのは、もし代表決定戦で投げていたら甲子園の初戦に間に合わなくなる爆弾を佐々木投手が抱えていたということなのかなと。プロ野球の大物OBが「1度負けたら終わりの場所でけがを恐れるなんて…」と采配を批判したのを現役メジャーリーガーやサッカーの日本代表経験者が「けがをしたら身もふたもない」と反論するなど業界内外を巻き込む騒動になってしまいましたが、私は国保監督が腹を括って下した決断を尊重したいです。厳しい言い方をすれば、投打ともに佐々木選手に依存してしまうような層の薄さが花巻東の前では通用しなかったということに過ぎないと考えれば気持ちが収まりませんかね…。

代表決定戦の会場となった盛岡市の岩手県営球場は超満員になったとか。「せっかく遠出してきたのに佐々木が見られないなんて…」と肩を落とした方が多かったかと思いますが、新聞などの報道を見る限り、グラウンドに物を投げつける人や「金返せ」と運営本部やチケット売り場に怒鳴り込む人がいなかったのは何より。高校野球はお金をとって試合を見せるので興行という側面はあります。ただ、プロ野球などと違って興行が第1の存在価値ではないのかなとも思います。もし高校野球の第1の存在価値が興行だというなら、主催者サイドから「佐々木君を出して」と声をかけられ国保監督はそれを断れないという構図ができていたかもしれません。ただ、現実としてそうではない。エースと心中することこそ高校野球における「オールorナッシング」と考える傾向があるかもしれませんが、エースを敢えて出さずに現有戦力で戦うことも「オールorナッシング」だと考えてもいいのではないでしょうか。

では、また次回です
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