マリナーズのアドバイザーとして活躍しているイチローさんが、恒例となった草野球「神戸智辯」の試合を18日に神戸で行いました。今回の対戦相手は高校女子選抜チーム。今年夏の高校女子選手権決勝が甲子園で初めて行われたのが大きな話題になりましたが、この開催をきっかけになって生まれた競技力向上のプロジェクトの一環として行われたとか。イチローさんが17奪三振完封してしまったことが大きく取り上げられましたが、その一方で甲子園でプレーした選手を含めた女子選手の奮闘ぶりも各メディアで報道されました。

さて、女子野球といえば両国国技館で行われたファン感謝デーで、巨人が来年春に女子部門を立ち上げることを発表したのがこれまた話題になりました。まずは高校卒業見込み2人と大学卒業見込み1人と契約し、来年更に練習会やトライアウトを行って選手の採用を進めたうえで再来年に公式戦に参入することを目指します。現存最古のプロ野球チームの参入ということで業界内ざわついているようですが、実はおととしに埼玉西武ライオンズレディース、昨年に阪神タイガースウイメンとNPB球団の女子野球参入は相次いでいます。それに巨人は以前から関東の社会人チームや高校・大学の野球部が集まるリーグ戦「ヴィーナスリーグ」を、阪神は「ヴィーナスリーグ」同様に関西のチームを集めて行う「ラッキーリーグ」を後援しています。NPBでも前々から多少なり女子野球に対する興味があったといえるかもしれません。それが女子チーム発足という形で拍車がかかっているともいえるかもしれません。

そういえば、「女子プロ野球ってどうなった?」という疑問を抱く人もいるでしょう。サプリメント会社のわかさ生活が興した女子プロ野球リーグは2009年に関西で産声を上げ、その後愛知や埼玉でもチームが設けられましたが慢性的な赤字経営が響き給料遅配に業を煮やした選手が次々と退団。昨年まではギリギリの人数で試合を行っていましたが、今年になって残っていた選手たちもやめ「開店休業」状態になってしまいました。コロナ渦も影響したようです。リーマンショックがだめを押すような形で「開店休業」状態に追い込まれたマスターズリーグ(NPBのOBが現役時代に所属したチームの垣根を超えたチームで11月から翌年2月にかけて戦ったリーグ)の二の舞になってしまいました。マスターズリーグにしても女子プロ野球リーグにしてもある程度スポンサーは集まっていましたが、運営母体がぜい弱なところがあったから経済の大きな波に吞み込まれてしまったのかもしれません。

ただ、NPBの球団が女子部門を立ち上げたことは光明になるかもしれません。それに女子侍ジャパンに選出される選手がみんな女子プロ野球リーグの選手で占められることもなく、女子プロ野球リーグも関わっている女子野球の統括組織はまだ健在です。わかさ生活がいろいろな意味で一人で抱え込むのではなく、NPBと女子野球の統括組織が協力し合って若い人たちが目標にするようなリーグとして女子プロ野球を復興させることを期待したいです。では、また次回です。
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