大会の序盤がザックジャパンのワールドカップアジア最終予選と被っていてあまり目立っていなかった感のあるEURO2012ですが、時間が経つに連れてインパクトが増してきました。

ザックジャパンが決して簡単といえないワールドカップアジア最終予選で6-0の圧勝劇をやってしまうことは痛快で見ていて面白いかもしれませんが、先が読めないEUROもまた面白いと思えてきました。
「EUROはワールドカップよりレベルが高い」と言われることがあります。サッカーを知らない人なら、世界一を争う戦いよりも大陸ナンバー1をめぐる戦いの方がレベルが高いなんてありえないと言うかもしれませんが、お互いギリギリの戦いを演じているのを見ていると何となくうなずけるような気もします。お気に入りの国の代表が6-0の圧勝劇をしてくれることを期待するファンもいるかもしれませんが、いやいや、高望みってモノかもしれませんね。

今回のEUROで象徴的だったのはオランダの大苦戦。予選ラウンド初戦でデンマークに負けたときにはびっくりしました。競馬で同じレースに出る馬の実力を推し量るときにそのレースに出ていないある特定の馬との対戦結果を比較することがあります。その手法を当てはめて考えると、2010年の南アフリカワールドカップでの岡田ジャパンが「レースに出ていないある特定の馬」だろうと私は考えたんです。と、なると、オランダは岡田ジャパンに勝ち予選を通過し、デンマークは岡田ジャパンに敗れて予選落ち。EUROも予選落ちだったデンマークはともかく、2年経ったらオランダはどうでしょう? 建て直しに間に合わずそのままズルズルと予選敗退となってしまいました。オランダとしては天国から地獄に転落してしまった格好です。ワールドカップ以上に勝ち抜くことは簡単ではないといみじくも思います。
もう一つ印象的なのはイタリア。イタリアと言えば守り勝つ「カテナチオ」のイメージが強いのですが、今回は「脱カテナチオ」を掲げているとか。サッカーの技術的・戦術的な知識が深くない私が言うのも何ですが、シュートを今まで以上に打つようになった印象は確かにあります。0点じゃ勝てない、相手のミスを待っていても勝てない」これは当然なことですが、その当然なことを今回のイタリアは証明しているのかもしれません。

ドイツやスペイン、フランスなど額面どおりの力を発揮している国もありますが、生まれ変わったイタリアや最後の最後で予選突破を勝ち取ったロシアなど、勢いのあるところもベスト8に残っています。もうしばらく寝不足が続きそうですが、ロンドンオリンピックへの予行演習って感じに考えれば辛さは軽減できるかもしれませんね。

それでは、また次回です。

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