またパラリンピックの話をば。といっても、テレビの取り組みの話です。

NHK総合テレビで平日の夜11時台に放送している「ニュースチェック11」は放送中に視聴者の意見をツイッターで募集し、それをテロップ表示しています。そのテロップを見ていると明るい見立てを語る政治家や企業人に「甘い! 庶民の気持ちをわかってない!」と一喝しているように見えるものもあれば、出演者のコメントをネタにした大喜利のようなものもあって千差万別。スポーツニュースに関しても色々な意見が届けられています。そんな中気になったのはパラリンピックのこと。「テレビでもっとやって」「テレビでもっと放送して」というテロップが12日あたりからひんぱんに出ているんです。

オリンピックと同じように総合テレビとBS1で朝9時から深夜0時までみっちり放送して欲しいのか、民放でも中継して日本勢の戦いをできる限り多くリアルタイムで見られるようにして欲しいのか、言いたいところはいくつも考えられますが、「NHKだもん。オリンピックでやれることをパラリンピックでもできるでしょ?」という考えに集約されるかもしれません。競技数、種目数がオリンピックより少ないし朝からメダルがかかるような大きな競技がたくさん行われるわけではない。そういう状況を差し引いたとしても、物足りなさを感じる人がいるのはそういう気持ちでいるからかもしれません。ツイッターを使う人の意見ですから「『もっと見たい人はネットで見て』という感覚はけしからん」というわけではないかと思いますが、パラスポーツを何の気なしにテレビで見るためにはオリンピック並みの放送の質ではなくて量が必要だろうという意見を視聴者の多くが抱いているのかもしれません。

オリンピックと同じくらいの質があればいいと言えるようになるのは、量に満足ができてからということでしょうか。2020年の東京大会ではホストブロードキャストととしてやらなければならないという後ろ向きの理由になるかもしれませんが、恐らく民放でも競技のライブ中継が始まると思います。そこで庶民とパラスポーツの間にある隙間をどこまで埋められるかが問われるでしょう。

では、また次回です。
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