春にここでもお話ししたかと思いますが、今年は高校野球誕生100年というメモリアルイヤーで、スポーツ紙各紙やテレビではこの100年の名場面・名選手を振り返る企画がいろいろな形で展開しています。そして、いまは夏の高校選手権の代表を決める地方大会(都道府県予選)が行われ、すこしずつ代表決定の声も上がっています。

誤解を恐れない言い方をすれば、今年夏の都道府県予選は異様な盛り上がりを見せていますよね。有力校を分散させるシード制度をとっていない大阪で前回優勝の大阪桐蔭とセンバツで準優勝を経験した履正社が1回戦でぶつかることになり、大阪のアマチュア野球の拠点球場である舞洲スタジアムには1万人以上の観衆が集まり、周辺は交通渋滞がひどかったとか。千葉では「史上最強の帰宅部」と呼ばれた選手が試合で敗れてしまったものの2発放ってネット上で大騒ぎになったという話もあります。ただ、この選手を取り上げた東スポのウェブ記事を読むと、彼は別の高校の1年次に野球部にいたものの退部・退学し、2年から現在の高校に転校したそうで、退部で在籍履歴がリセットされて適用外になっている可能性もありますが、それなりの経験や実績があっても転校してから1年間は公式戦に出場できないという規定に引っかかってしまったという選手だったようですね。選手とマネージャーが1人ずつしかいない野球部の助っ人として「元野球部員」の帰宅部がブランクをものともせずに奮闘したという話もすごいものですが、数十年前から今の今までこういう規定が生きているのも驚きでした。

そして、一番の盛り上がりを見せているのが、西東京大会での早稲田実業・清宮幸太郎選手。中学時代に日本代表の一員としてアメリカで行われた世界大会でホームランを連発し、アメリカのメディアでは「ベーブルース2世」なんてよばれるようになったとか。そんな彼が名門の早稲田実業に入学したからまた大騒ぎになったわけです。フィーバーに水を差すわけではありませんが、この盛り上がり方はなでしこジャパンの岩渕真奈選手と一緒ですね。
岩渕選手の場合も15歳くらいのときにU-17女子世界選手権で技術の高さを見せつけ「ピッチに舞い降りた天使」なんてFIFAのサイトに掲載された大会レポートであだ名される熱狂ぶりをみせ、日本に戻ってきたらなでしこリーグには、2011年や今年のフィーバーほどではないにしても、彼女見たさにお客が集まったという騒ぎにまたなったというのと重なります。でも、おそらく大阪桐蔭の中田翔選手(現在北海道日本ハム)以来の大物スラッガーとして業界が待望した存在がやっとあらわれたという意味での期待に応えてくれたという見方をすれば、岩渕選手とは違う盛り上がり方だともいえそうですね。そんな中での甲子園、どんな戦いが待っているんでしょうか?

それでは、また次回です。
[Web全体に公開]
この記事の前後の記事(新着順)
・野球ができる幸せをかみしめて
2015年08月07日  [Web全体に公開]
・あなたの知らない世界?
2015年07月31日  [Web全体に公開]
【閲覧中】今年だから?
2015年07月24日  [Web全体に公開]
・次が大事
2015年07月17日  [Web全体に公開]
・激励の「喝」!
2015年07月10日  [Web全体に公開]

0件のコメント