大相撲初場所は平幕の栃ノ心が12日目で横綱・鶴竜を逆転し、初優勝を果たして幕を閉じました。膝の大けがで長期休場を余儀なくされ一度は幕下にまで下げたあと、また幕内まで番付を戻して幕内最高優勝まで果たしたのは琴風以来37年ぶりというケースになったそうです。

10日目までは鶴竜が全勝で突っ走っていて「このままなら優勝間違いなし」という声が支配的でしたが、直後に4連敗という大失速で栃ノ心に逆転を許すという信じられない結末を迎えました。稀勢の里共々4場所連続休場を経て「次に出場するときには進退をかけることになる」と師匠が明言した上で迎えた場所。しかも白鵬が開幕直後のけがで休場し、稀勢の里が5場所連続休場に追い込まれ…と思わぬ事態が続いて1人横綱になってしまいましたが、横綱の責任を何とか果たし続けたように見えます。閉幕翌日の横綱審議委員会は「進退の危機は脱したが悪い相撲で連敗をしてしまったのはどうか?」と苦言混じりも一定の評価を示してはいたようです。これは一つのスタートととらえて、また相撲に磨きをかけてもらいたいですね。

栃ノ心がいる春日野部屋は両国国技館からほど近いところにあるので、関取の栃ノ心であっても場所中は歩いて国技館に通っていたそうです。取組後は部屋の車を通用口につけてもらってとっととそれに乗って帰るということはなく付き人達と一緒に歩いて部屋に帰るわけです。そんなこともあって、「鶴竜が敗れた日の相撲を国技館内のどこかにあるモニターテレビではなく、帰り道の途中にある薬屋のテレビで偶然見た」とか、「優勝が確定した14日目、国技館から部屋へ帰ろうとしたところ優勝を祝福するファンが殺到してサイン責めに遭った」というエピソードがメディアで多く紹介されました。もしかしたら80年代前半までの蔵前国技館時代だったら当たり前にあったことで大げさに取り上げられることはなかったかもしれません。でも、こういうシーンが大きく取り上げられたことで「相撲はやっぱりファンに近いものだ」と思えるようになりました。

まだいろいろと火種が協会内にあるようですが、15日通しての満員がいつまでも続くように期待したいところです。では、また次回です。
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