UAEで行われているクラブワールドカップで開催国代表のアルアインが決勝に進み、あのレアルマドリードと対戦する権利を勝ち取りました。クラブワールドカップのアジア勢のメダルと言えばすべて東アジアのチームばかりで中東勢のメダル獲得は初めてになります。

サッカーのクラブチーム世界一決定戦と言えば先進地域と見なされていたヨーロッパと南米の代表による一騎打ちトヨタカップが定着していましたが、2005年から世界クラブ選手権として広く世界に門戸が開かれました。決勝はヨーロッパ対南米の構図にばかりなりますが、先進地域のチームと対戦できるチャンスが間違いなく生まれたわけです。アジア勢初のメダルは第3回(2007年)で、浦和レッズの銅メダル。この年から開催国代表の枠ができましたが、レッズはアジア代表として出場権を得たためアジアの次点チームが開催国代表の替わりになるという珍事が起きてしまいましたが。当時はテレビや新聞が「世界3位」と伝えるやり方に批判的な声が多かった記憶があります。ヨーロッパのビッグクラブに勝ったわけではないのにおこがましいというのが大方の理由でした。そんな中私は、かつて5大陸王者と日本の6カ国でやっていたグラチャンバレー(現在は日本含めて8カ国参加)で3位になればメダル獲得と騒いでいたから、世界クラブ選手権で3位になったら「世界3位」じゃなくて「銅メダル獲得」と言えばいいだろうと思うに至りました。

テレビ中継のイメージキャラクターを務めたタレントさんが「日本のチームがクラブ選手権で勝つなんてまだ早い」と言っていたのに、レッズが銅メダルを獲得すると表彰式の後に放送された番組に駆けつけた選手の前で土下座するなんてこともありました。先進地域のチームとの実力差やプロサッカーの歴史の長さなど考えればJリーグはじめアジアのプロサッカーはまだ足下にも及ばないという考えがあったからかもしれません。野球だったらヨーロッパとアジアの立場が逆になるかもしれませんが。

それから時が流れ、おととしには開催国代表の鹿島アントラーズがアジア勢初の決勝に進み、レアルマドリードと延長までもつれる激戦を演じるまでにいたりました。一方、南米の有望選手が早い時期にヨーロッパのビッグクラブに引き抜かれるようになって南米のクラブチームの地盤沈下が起こっているのか、南米のクラブは毎年のように進まなくなってきました。地盤沈下というとネガティブかもしれませんが、それだけ世界の実力差が詰まっていると前向きに考えることもいいのではないでしょうか。

では、また次回です。
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