12月は読売新聞のスクープがきっかけで高校の駅伝有力校の鉄剤注射が問題視され、挙げ句の果てには日本陸連が禁止令を出すまでに至るというスキャンダルでざわついたような気がします。

体質的に貧血になりやすい人が効果的に取り入れるために鉄剤注射をやるケースは以前からあったようですが、問題視されたのは新手の血液ドーピングとも言えるやり方です。鉄分を増やすことで持久力を高め、記録を飛躍的に伸ばせるようですが、その反面体調を回復させるのに時間がかかってしまうなど副作用とみられる症状もみられているとか。パワー重視の短距離だと体重についてあまり云々されることはありませんが、長距離だと体重が軽ければ優位に立てるという考えが古くからあります。体重を増やさずに持久力を高めるために…と外国では血液に働きかける薬物を投与する血液ドーピングが20年くらい前に問題視されていましたが、ここ最近はこういう類の話を聞こえていませんでした。しかし、身近なものがドーピングに直結してしまうのには驚きました。とりわけ女子選手については女性特有の機能に長期的な影響を与える危険もあるというわけだし。

軽量かつハイパワーを求める指導者サイドの考えを全否定するつもりはありません。リスクがたとえ高くてもそれ以上のリターンを得られればいいと考えるのは自然な考えかもしれないし、違反ではないならやっちゃいけないというわけでもない。そういうものにすがる気持ちはわかります。ただ、長期的なリスクをよくよく見極める冷静な目も必要だったかもしれません。「常勝」を考えるならそういうことも必要かもしれません。今時のスポーツ系の育成ゲームだって単純に勝ちまくればいいような設定にはなっていなくて、長期的な育成・強化のビジョンが求められるようなものが増えています。学校と選手のこれからのために有益な育成・強化を考えていってほしいです。それがスポーツ界全体を衰退させない一番の方法でしょうから。

次回は1週休んで年明け1月11日にアップする予定です。良いお年を。
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