1日に新潟競馬場で行われた新潟記念が最終戦となったJRAのサマー2000シリーズ。福島・七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念、新潟記念の5つの競馬場を転戦したシリーズで勝ち馬がすべて異なったばかりか、継続的に良い成績を残せた馬も多くなく、14年目にして初となる総合優勝預かりとなってしまいました。

JRAでは2006年から夏場に行われる単距離の重賞をつなげたサマースプリントシリーズ、芝2000mコースを使う重賞をつなげたサマー2000シリーズ、そのあと芝1600mコースを使う重賞をつなげたサマーマイルシリーズをそれぞれ編成しました。対象となるレースのうち少なくとも1つのレースに優勝しかつ一定のポイントを稼いだ馬が総合優勝の資格を得るというルールになっていて、サマー2000とスプリントでは必ず総合優勝の馬がいました。対象レースが3つしかないサマーマイルでは要件を満たす馬が出にくいからか総合優勝の要件を満たした馬がいなかった年がありました。そしてこの夏、サマー2000で総合優勝の要件を満たした馬が現れなかったというわけです。

コンディションを維持するのがいつも以上に難しい夏だったからかもしれませんが、競馬業界的に秋の訪れが少し早くなっているのも原因なのかもしれません。札幌記念が夏場唯一のGⅡになると、これまで9月以降にならないとレースに出てくることがなかったGⅠ候補といえる馬たちが札幌記念を秋の初戦ととらえ、そこから日本の天皇賞なりフランスの凱旋門賞を目指すようになるのが珍しいことではなくなりました。以前なら上半期にパッとしなかった馬たちが夏場に勝ち星を積み重ねていき捲土重来を誓うのが一般的で、2000mの重賞を2勝する馬が出てくるのが普通に受け止められていました。それが札幌記念のGⅡ化で捲土重来派のチャンスがやや減ってしまうのかなと考えてしまいました。6月の宝塚記念が終わったら9月まで競馬はお休みというファンが昔は多かったそうです。そういう人たちが夏競馬に興味を持てるようにしようということで札幌記念をGⅡにしたりサマーシリーズを設けたりしたのでしょう。でも、相反する結末を迎えるとは思ってもいませんでした。すぐにルールを改善せよとは言いませんが、こういうことが続くようになったらどうするかを考えてもいいかもしれません。

では、また次回です。
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