プロ野球は25日、公式戦開幕から23週半で日本一が決まりました。その一方、今年唯一の主要アマチュア大会となる都市対抗野球が22日から東京ドームで行われています。高校野球では夏に甲子園交流試合が行われてはいますが、これはあくまでオープン戦のようなもので優勝チームを決めるまでには至っていません。

都市対抗が行われる東京ドームでは各チームの応援団が1塁側と3塁側に陣取り、ブラスバンドやチアリーディングなどのパフォーマンスが繰り広げられるのが恒例。応援団のパフォーマンスと観客の盛り上がりがどれだけの一体感を作り上げているかを審査するコンテストも名物になっています。しかし、今回は新型コロナウイルス感染対策のため応援団の動員はなし。ですが、ネットで事前予約をしてチケットを購入した1万人まで(各試合ごとの入れ替え制)入場が可能となっているのである程度の賑わいはあります。スタンドの観客から聞こえる拍手やベンチから聞こえる思わず漏れるため息、歓声が新鮮に感じます。都市対抗・日本選手権以外の全国大会や地方予選でも拍手、歓声、ため息は聞こえます。でも、ドームで数千人もの観客が集まる中での歓声というのはものすごいもの。甲子園の高校野球交流試合は500人程度ではあっても銀傘のせいか響いていたかもしれませんが、ドームのボルテージもかなりのものです。

普段は7月に行われる都市対抗。元々はオリンピック開催の影響を勘案したため今年は日本選手権と日程を入れ替える形で晩秋開催となりました(日本選手権は実施されませんでしたが)。ですから、ドラフトでプロ球団に指名された選手たちにとってはこの都市対抗がアマチュアとして最後の大会になるわけです。力を出し切れず敗れたチームの選手からは「このユニフォームでもっと野球をしたかった」というコメントも聞こえます。夏の甲子園で3年生が「この仲間ともっと野球をしたかった」と涙ながらにこぼしたり3年生が2年生に「今度はお前たちが1年生を甲子園に連れていく番だぞ!」と強く訴えたりする様子とオーバーラップしそうです。日本選手権の京セラドームでもこういうシーンが見られたかもしれません。でも、東京ドームでこういう光景が見られるのは感慨深いものです。

この先12月2日に決勝が行われます。どんな結末を迎えるのでしょうか? では、また次回です。
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