2月28日に行われた第76回びわ湖毎日マラソンで鈴木健吾選手が2時間4分56秒の日本新記録で優勝。あの大迫傑選手の記録を30秒ほど上回りました。しかも、アフリカ出身者以外では世界初の2時間4分台という快挙のおまけつきです。

気が付けば世界記録は2時間1分台にまで押し上げられていますが2時間4分台まではアフリカ出身者ばかりというのは驚き。アフリカ出身者は高地で鍛えるため長距離に求められる持久力に秀でるアスリートが多くなるのは理解できますが、欧米系やアジア系との差がここまで大きくなるのもまた驚きです。まぁ、短距離も北中米カリブ地域出身者で世界ランキングの上位をしめてはいるでしょうがチラホラとヨーロッパや中東出身者も食い込んでいます。それに比べて長距離はアフリカの壁が分厚く存在していたと考えれば理解できるでしょうか。

その壁に風穴を開けたのが鈴木選手なんです。おととし9月のマラソングランドチャンピオンシップで「世紀の大暴走」を演じた設楽悠太選手のペースが落ち始めたところで真っ先に捕まえにかかった選手と言われています。この時は鈴木選手の方も失速してしまいましたが思い切りの良さが注目されました。今回はその思い切りの良さがいい方向に働いたのかもしれません。今後は国内では追われる存在になりますが、良さを忘れずに磨き上げてくれることを楽しみにしていきましょう。

ところで、びわ湖毎日マラソンは今年限り。元々は大阪を走る「毎日マラソン」として生まれた大会が1962年に会場を滋賀県に移して現在に至りました(1964年の東京オリンピック、94年の広島アジア大会のリハーサル大会として一時的に移転)。65年にあのアベベが走った時には沿道には多くの人がおしかけたとか。その後もオリンピックや世界陸上の最終代表選考会として行われたら語り草になるような名勝負が毎度のように展開されました。しかし、日程的に近い東京マラソンと選手の奪い合いが起こる傾向が出るようになると大会の魅力が薄れてしまったか、来年からは大阪マラソンと統合する形で実施されるようになります。いわば、62年ぶりの「里帰り」です。ただ、大阪マラソンは読売新聞主催の大会だそうなので、レース自体どうなるかと同時に毎日新聞がどういう形で関わるかがきになるところです。

では、また次回です。
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