2日に新装された千葉競輪場(ティップスタードーム千葉)のこけら落としとして「ピスト6チャンピオンシップ」が行われました。

一度は2018年4月限りでの廃止が検討された千葉競輪場。競輪選手会千葉支部の人たちなどによる存続活動が実り、全く違う形になったとはいえ存続が叶ったことを喜んでいるそうです。競輪場やオートレース場の廃止が度々ありました。これまでのレース場廃止といえば赤字による経営悪化でレース開催が難しくなり場外売り場だけ営業するというケースばかりでした。しかし、千葉競輪場の場合は国際規格の1周250mの木製トラックを備えた国内3つ目のドーム競輪場に生まれ変わったばかりか、「競輪」とは一線を画した「ケイリン」を実施することになったのです。

簡単に言えば「ピスト6チャンピオンシップ」はオリンピックや世界選手権でやっているような「ケイリン」にお金を賭けるもの。1レースに参加できるのは最大6人で距離は1500m。1周250mですからトラックを6周します(「競輪」の場合は1レースに参加できる人数は参加選手のランクによって7人か9人に変動、距離は2000m程度でトラックの周回は4周から6周)。「競輪」はスタート台に自転車を固定した後に号砲の合図で走り出しますが、「ピスト6…」の場合はスタート台がなく介添え役の人が自転車を支え号砲に合わせて自転車を離してスタートさせます。「競輪」ではレース中に地域や世代で紐づけた「ライン」が3つか4つ形成され、そのライン単位で縦に横に動きます。そして残り1周半でジャンという鐘が打ち鳴らされ競り合いが本格化し最終的な勝負がつきます。しかし、「ピスト6…」の場合はラインを形成することはできないので6人がぞれぞれ戦略を考えて走り続けないといけなくなります。「競輪」でもトップ選手が参加して行われる7人制の「競輪レボリューション」やガールズケイリン(女子競輪)ではライン禁止のルールがあるのでとっつきにくさはあまりないかもしれません。もしかしたら、ガールズの車券はよく当たるという人は当てやすいかもしれません。ちなみに、車券は会場内で観戦していても(11月から観客受け入れを開始予定)競輪のネット車券購入サイト「ティップスター」を使わないと購入できません。

もう一つ大きな違いとして挙げられるのは選手が1日2回レースに出ること。「競輪」の場合は1日1回しかレースに出ることができませんが、「ピスト6…」では1日2回レースに出ることが義務付けられています。大会自体「競輪」より短い2日間の日程ではありますが、「ケイリン」競技の経験がない選手にとっては体力の消耗をどれだけ抑えることができるかどうかというのが大会を勝ち抜くための大きなポイントになるかもしれません。

存続活動をリードしてきた競輪選手会千葉支部の中村支部長には、この新競輪場を拠点に高校生向けのアカデミーを立ち上げたいという構想もあるとか。オリンピックや世界選手権で使われるものと同じ仕様のトラックを国内で使えるのは日本の自転車競技のレベルアップに深く関わってくるでしょう。煌びやかにショーアップされた空間での「ケイリン」の舞台だけでなく、インターハイ、インカレと並び立つような全国大会の舞台としても活用してくれればと期待したいです。では、また次回です。
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