9日にJRAから騎手試験の合格者が発表され、女性が2人いることが判明。中央競馬に女性騎手が3人いることになり、現在は解説者として活躍している細江純子さんが現役でいたとき以来二十数年ぶりの多さになったとか。これで騒ぐことなくガールズケイリンのように女子だけの大会が常時できるくらいの人数になるのが理想でしょう。

その一方で定年の調教師の名簿も発表されました。現役時代をリアルタイムで見たことある騎手の名前も散見されます。今年はカツラギエースでジャパンカップ日本馬初制覇を果たした西浦勝一さん、障害レースで多くのタイトルを獲得した星野忍さんと元騎手2人が含まれています。JRAでは70歳になると調教師は定年となり厩舎は解散。所属していた馬と厩務員・調教助手はつながりのある別の厩舎に移籍。騎手の場合は厩務員同様に他の厩舎に移籍する人もいれば、どこの厩舎に属さないフリーの騎手になる人もいます。大相撲の親方が65歳で定年になり他の部屋つきの親方に部屋を引き継いだり一門の別の部屋に吸収合併されたりするのと同じようなことです。

武豊騎手の弟、幸四郎さんのように30代で転身する人もいることはいますが、騎手を引退して調教師に転身するのは40代後半から50代が一般的。ですから調教師でいられるのは20年前後。それに比べて大相撲の場合は30代で引退して親方になるのが一般的なので親方でいられる期間は30年前後。そういう時間感覚のせいなのか、調教師の定年というのはあっという間に感じます。20年そこそこの時間で大きなタイトルを手にする馬を育てるのもすごいし、30年そこそこで横綱になれなかった親方が弟子を横綱に育て上げることもすごいです。ですが、引退から定年までの短かさが凄いという実感を増幅させるかもしれません。

春が近くなるころ、凄さとか、いろいろと毎年のように感じます。では、また次回です。
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先週に続いて大相撲の話。先月24日に千秋楽を迎えた大相撲初場所で25年ぶりの珍事が起きたんです。幕下で9人による優勝決定戦が行われたというんです。

なぜ起きたかを説明する前に大相撲の本場所での幕下以下の流れをお話しします。幕内と十両は初日から千秋楽までの15日間すべてで1日1番ずつとり8勝以上すれば勝ち越しになります。一方、幕下以下の力士は人数が多いため15日間のうち7日だけ土俵に上がり4勝以上すれば勝ち越しになります。初日と2日目で1番目、3日目と4日目で2番目という風に、十両以上なら1日で消化できる取組を2日かけてでないと消化できないからです。で、最後の7番目の相撲は13日目から千秋楽の3日間にまたがって行われます。優勝が懸かる力士の取組は13日目にまとめて行われるのが基本。原則的に同じ勝ち星の力士同士が毎回対戦するため(スイス式トーナメントと呼ばれるシステムを取り入れている)、6戦全勝の力士が13日目の時点で2人から4人残ります。2人なら直接対決して勝った方の優勝。4人なら直接対決が2つあって勝った者同士が優勝決定戦をやることになります。今場所の場合も6戦全勝が13日目で2人いましたが同部屋だったため本割の直接対決で優勝者を決めることができず、2人が勝ったら改めて優勝決定戦という状況になりました。そしてその2人が13日目に敗れたため、6勝1敗の9人に優勝の可能性が発生したというわけなんです。

さぁ、大人数の優勝決定戦です。普通なら純粋なトーナメントで優勝を決めるところでしょうが、大相撲には特殊なやり方があります。それが巴戦。決勝の段階で3人残し、特定の1人が他の2人を続けて破れば優勝となります。3人に絞るためのトーナメントも普通とは違っていて、不戦勝扱いになるシードの人をなるべく出さないような作りになっています。対戦の組み合わせをできるだけ作りシードは1人という感じ。しかも、夏の甲子園のように1番取り終えるごとに勝者が次の対戦相手を再抽選して決めます。で、最終的に3人にするという流れが大相撲の基本。しかし、今場所は新型コロナウイルスの感染防止の観点から再抽選はせず、1度の抽選で優勝者を決められるようにするため純粋なトーナメントで優勝を決めることになったようです。そうしたら、また奇跡が。優勝したのは十両経験者だった34歳の魁。2回戦からでなく1回戦から4つ勝って優勝したのです。こういう時だからこそのトーナメントで優勝できたのは本当に貴重な経験かもしれません。

7日に開催予定だった第45回日本大相撲トーナメントは新型コロナによる緊急事態宣言が発令された影響か、2011年の35回大会以来となる中止になってしまいましたが、本場所でトーナメントにまつわる奇跡が起きるとは! そんな思いで話してみました。では、また次回です。
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24日に千秋楽を迎えた大相撲初場所。前頭筆頭の大栄翔が初優勝を果たし幕を下ろしました。初場所の初優勝は4年連続、前頭筆頭の優勝は1991年名古屋場所の水戸泉以来30年ぶり、埼玉県出身の力士の優勝は初めて…と記録づくめの優勝となりました。

大栄翔は埼玉県新座市出身で埼玉栄高校卒。高校卒業の年の初場所でプロデビューを果たしました。高校スポーツだと他県からの「留学」か地元かということがよく言われます。野球では特定地域出身の中学生が各地の高校に進む傾向がいろいろな意味で注目されているし、サッカーでも野球ほどではないにしてもそういう傾向が見えていると指摘する人もいます。

翻って相撲を見るとどうでしょうか。全国大会常連と言われるような学校ではやはり「留学」の生徒が多いようです。そんな中で大栄翔は埼玉の相撲少年の希望になるはずです。地元中学で頑張り、県内の栄高校でまた技を磨き、そしてプロになりついには優勝。他県にわざわざ行かなくても強くなれる土壌はあると思うのが何よりの励みになるのではないでしょうか。中卒でプロ入りするのが当たり前だった時代とは違いますが、地元で磨かれたものを手に出世の道を進んでいく相撲らしさが見直されるきっかけになってくれるかもしれません。アマチュア相撲のすそ野が広がることにもつながればなおさらうれしいことです。

では、また次回です。
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新型コロナウイルスの問題による特例が今年も採用されるプロ野球。それに加えてセリーグでは限定的なDH制が浮かんでは消えているとか。

巨人の球団代表が手を変え品を変え提案しているようなんです。まず1年限定という形で巨人サイドが提案するも却下され、その後公式戦開幕から30試合か60試合と期間を狭めた上でやろうとまた提案しているようです。巨人の主張としては投手を中心にした選手の負担軽減、試合内容の充実などを理由としています。

ただ、否定的な声も根強いようです。セ・パ交流戦で毎年のようにパリーグに敗れていることや日本シリーズが7年連続でパリーグが日本一になっていることが直接の原因だろうから安直だというのが主な意見。原監督や球団代表など巨人の関係者ばかりが提案していることを快く思わない人もいます。何というのか、感情論が混じっているようにも感じるのは私だけでしょうか?

セリーグのアイデンティティを失うかもしれないと思うとDH制には後ろ向きになってしまいますが、負担軽減の限定的なものならばやむを得ないと私は思います。一軍登録やベンチ入り人数の増員を考えたらDH制は活用できるのではないかと思います。ただ、それはあくまでも限定的なものです。それに、DH制採用前と採用時、終了後の選手のパフォーマンスの検証も必要かもしれません。野手・投手の守備、投手の打撃などどう変わったかとか。

結論は簡単に出ないかもしれませんが、事の推移は見守りたいです。では、また次回です。
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J3アスルクラロ沼津の中山雅史選手が昨年限りで退団し、今年から古巣のJ2ジュビロ磐田のコーチを務めることになったとか。13日にテレビ朝日系で放送された「報道ステーション」で「プレーヤーとしてのトレーニングをひとまずお休みさせていただきます」と独特な言い回しで報告するのはゴンさんらしいです。

ゴンさんは2012年に北海道コンサドーレ札幌を戦力外になった時にはメディアは引退するものと決めつけにかかりましたがゴンさんはそれを否定。あくまで次のチームを探しているだけと「浪人」であることを強調していました。解説者としての活動をしつつリハビリ・トレーニングを重ね、3年後にはアスルクラロに加入。引退と決めつけていたメディアは「現役復帰」とはやし立てました。ただ、以前傷めたひざや臀部の影響が残りJ3参入後は公式戦出場はかないませんでした。それでも「引と退の2文字は使いたくない」とあくまで選手活動を休業するという姿勢でいるようです。自分が燃え尽きたとはまだ思っていないようです。

ゴンさんのようなキャリアの積み方ができるのはJリーグとNPBの契約の仕方の違いがあるかもしれません。制度上変わっているところがあるかもしれませんが、私の知る限りでは、JリーグではNPBのようにストレートな戦力外通告ができず「年俸0円」を提示して、引退かJの他のチームへの移籍かそれ以外のカテゴリーのチームへの移籍かを選ばせるような形になっています。NPBの場合は戦力外通告を受けると「任意引退」で完全にユニフォームを脱ぐか「自由契約」で現役復帰の余地を残すかというのが基本線。新庄剛志さんが現役復帰の意思を示した時に最終所属の北海道日本ハムが「任意引退」から「自由契約」に切り替えています。

野球界もNPB以外のカテゴリーのチーム(社会人野球や独立リーグ)へ移籍する道筋がここ20年ほどでできつつありますがまだサッカーほど柔軟とは言い切れません。ゴンさんがここまで頑張り続けています。小宮山悟さんや川崎宗則選手のような人がもっと増えてくれると野球界の形がいい方向に少しずつ変わるかもしれません。

では、また次回です。
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