25日から日本生命セ・パ交流戦が始まりました。昨年はコロナ禍で日程が短縮された影響でカットされたため2年ぶりの開催になります。

空白の1年があってからの再開となると新鮮にまた見えるものです。今シーズンはセリーグのホームゲームから始まるので、パリーグのピッチャーが普通に打席に入ります。何となく慣れていないような雰囲気を感じるのが交流戦らしいなと改めて感じます。日本シリーズでも序盤同じような光景があるものですが日本シリーズでは当たり前すぎて新鮮な感じはないですが。そして、12球団全てのチームからの白星やホームランという快挙達成というシーンも交流戦が生まれると爆発的に増えました。交流戦がない時代はセ・パ両リーグで2球団ずつ、合計4球団以上に在籍しないとできないモノなので達成する人がなかなか出てきませんでしたが、交流戦ではセ・パにこだわらず複数の球団を渡り歩けばできるので達成者が一気に増えたわけです。今年も楽天から巨人に移ったウィーラー選手が12球団ホームランを達成しています。去年のシーズン開幕直後に移籍したため、古巣相手の交流戦は今年が初めてというウィーラー選手はかつてのチームメイトがファインプレーすると手を挙げて賛辞を送ったり、ホームランを打てば楽天時代から使っているくるりんぱポーズを見せたりしたそう。快挙達成できなくてもいいプレーを見せることが古巣への恩返しになるかもしれません。これから3週間ちょっとの間でどんなシーンが見られるか楽しみにしましょう。

交流戦というと4月5月と調子が良かったチームが反対側のリーグとの対戦で調子を崩して順位がずるずると下がるようなこともあるし、4月5月の不調をとりかえして最終的にはリーグ優勝にまでつながったこともあります。たかが18試合ですが毛色の違うチームとの対戦は気分転換にも、新しい戦力発掘のショーケースになるから逆転劇になるのかもしれません。昔はオールスターで普段対戦しないリーグの選手と対戦して活躍した選手が現れ、その選手がいるチームが躍進なんてこともありましたが、今は交流戦がそういう立ち位置になるかもしれません。

では、また次回です。
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NPBでは今シーズン、新型コロナ対策として延長戦を1年限定ではありますが廃止しました。9回で決着できなければ引き分けというわけです。9回表で同点でもサヨナラ負けを阻止するためにストッパーを投入するなど、点差が明らかに開いている場合でなければ勝ちパターンの継投をするように、戦術が少しずつ変化してきました。

野球の場合、引き分けでは勝率は上がりも下がりもしません。なので勝ち星が順調に重ねて黒星を極力つけないチームが優位に立てます。勝ち数が多くても引き分けの数が少なかったために優勝できなかったというケースも過去にはありました。一方、サッカーといえば勝てば勝ち点3、引き分けなら1というのが当たり前。だから順位が下のチームが巻き返すチャンスがあるとも言えそうです。追いつかれた方からすれば勝ち点2を失い追いついた方からすれば勝ち点1を拾ったという印象がもたれるでしょう。でも、野球では勝率は動かないにしても追いつかれたチームの監督が「勝ちきれなかった」とこぼすことが多くなっているのは、心理的なダメージでサッカーでいう「勝ち点2を失った」ような感覚が特にあるでしょう。

ところで、サッカーの順位を勝率で並べると面白いことが起こります。サッカーでは勝率は単純に勝ち数を試合数で割ることになっていますが、引き分けでは勝率が動かない「勝率=勝ち数÷(試合数-引き分け数)」という野球式の計算をします。そうすると勝率が上なのに引き分けで勝ち点が伸びなければ順位が悪くなる傾向が出ます。だからなのか「勝ち点3にこだわりたい」とJリーグはじめプロサッカーの選手たちは異口同音に口にするのかもしれません。

元阪神監督の岡田彰布さんは「今年は多いところで20以上引き分けるチームが出るだろう」と予測しています。サッカーで言えば勝ち点を40以上、勝ち星を13個以上損することになります。勝ち点本位のプロ野球でないにしても、勝てるはずの試合を落としてしまうのはいろいろな影響が出てくるかもしれません。今年の順位がどうなるのか、引き分けの数ともども気にしたいと思います。

では、また次回です。
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ゴールデンウィーク明けに東京オリンピック反対署名運動がウェブ上で本格的に動き出しました。日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児さんが中心になって東京都の小池知事、組織委員会の橋本会長、菅総理大臣、IOCのバッハ会長に向けた署名を展開すると表明したのですが、宇都宮さんが困惑している動きもあるそうなんです。

8日や9日のワイドショーや情報番組で大きく取り上げられましたが、ツイッター上で競泳の池江璃花子選手に対して代表権返上やオリンピック開催反対の声をあげてほしいというツイートが殺到。池江選手本人は「何も変えることはできません」と反応し、宇都宮さんも「選手には罪はない」と困惑していました。そして、反対活動に選手を利用することについては各メディアとも前向きには受け止めてはいなかったようです。

この動きを肯定するわけではないですが、反対活動する人のうち池江選手に訴えかける人は焦りを感じているのではないかと思うんです。大坂なおみ選手がツイッターで声をあげて「ブラック・ライブス・マター」のムーブメントが盛り上がったように池江選手が「命以上に大切なものはありません」と声を上げてくれればオリンピック中止の気運が高まると考えたのでしょう。それに中止を決断させるまでの時間がないという考えもあったかもしれません。ただ、大坂選手の場合は自発的にやったものであってツイッターで第三者に頼まれてやったわけではありません。池江選手にそういう意志があるのかどうかわからないところで声をあげてほしいというのは確実性がないわけで、ただただ焦っているとしか見えなくなります。

誰もが納得できる結論を今はとにかく期待するしかありません。では、また次回です。
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以前、サッカーのヨーロッパスーパーリーグをめぐりヨーロッパ各国が紛糾し、イギリスではウイリアム王子やジョンソン首相が反対声明を出すまでの事態になったことを話しました。その後、イギリスではスーパーリーグ構想を断固阻止するための法律を作ろうという動きが起きたというんです。

主眼に置いているのはサッカーリーグのピラミッド構造を維持すること。スーパーリーグは特定のチームが成績に関係なく永遠に居続けることができる規定になっていたのが問題視されていました。「戦力的にも金銭的にも努力を重ねなければ上位にはいられないというリーグの構造こそ健全」というヨーロッパ的な考え方を法律でも示そうということのようです。とはいっても、法律にするのは最終段階のようで、最初はイングランドなどのサッカー協会がピラミッド構造維持について各クラブに誓約するところから始まるそう。国内のサッカー関係者が一枚岩であることをアピールしてスーパーリーグ推進派を諦めさせようという考えかもしれません。

アメリカでは主要なプロスポーツリーグではピラミッド構造はありません。バスケのNBAで八村塁選手がいるウィザースがいくら弱くても下部リーグに転落したなんて話は聞かないし、MLBで日本人選手がいるチームが早々にプレーオフ進出の可能性が消えたから今度は下部リーグに転落しないための戦いだなんてことも聞きません。ピラミッド構造での努力というよりも一度加わった仲間が誰も脱落しないようにするための「護送船団方式」をアメリカではとっているといえるのかもしれません。

ピラミッドが正しいか「護送船団方式」が正しいかは簡単には決めつけられません。でも、これまで培った文化を尊重する必要はあるかもしれません。サッカーの文化は世界中に広がっていますから、こういうものは簡単に変えるわけにはいかないかもしれません。では、また次回です。
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新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、25日から東京・京都・大阪・兵庫を対象に緊急事態宣言が発出されました。去年4月、今年1月に続く3度目。中央競馬やバスケットボールBリーグはこの日から、プロ野球は27日から対象都府県で無観客試合が行われるようになりました。

今回の緊急事態宣言はこれまでよりもピンポイントな形で発出されているからか、同じ日の試合でも観客が入っている会場もあれば入っていない会場もあるという、今までにない混在しているような印象があります。去年4月の場合は徐々に対象区域が広がり最終的には全国が対象になりました。ですから6月に開幕したプロ野球や3か月以上休止を経て再開したJリーグは1か月ほどすべての会場で無観客試合が行われていました。一方、中央競馬は2月末から9月前半まですべての競馬場で無観客開催にした上、「紙の馬券」の発売も中止しました。ですから、変な言い方かもしれませんが、平等感がありました。

しかし、今回の混じり方は不平等とは言いませんが今までにない不思議な感じです。でも、画一的な扱い方をしなかったことは一歩前進と言えるかもしれません。「コロナの危険がゼロにならなければ全国どの会場も観客は入れてはならない」という絶対評価で対策をとる方がいいと考える人もいるかもしれません。その一方で「リスクが一定レベル以下になった場所は観客を受け入れてもいいだろう」という相対評価を考える人がいてもいいでしょう。網のかけ方がだんだんわかってきたからこそ今回のような対応ができたのかもしれません。ただ、それは本当のノーマルに戻るための過程の1つにすぎません。アメリカやイギリスのようにワクチンが国民全員に行き渡るようになれば制限なく観客を迎えることができるようになります。メジャーリーグのスタジアムでマスクなしで駆け付けたファンの写真を見て驚いた方が多くいたかもしれませんが、それが目標と考えれば見方が変わるかもしれません。

では、また次回です。
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