2020年度のスポーツ、特に学生スポーツは新型コロナウイルスの感染拡大に大きく翻弄されました。夏のインターハイが中止になった影響で競技連盟が代替大会を実施したケースもありました。陸上は普通に競技会をしていましたが、競泳は都道府県ごとのレースタイムを集計して全国ランキングを決める現代版「通信大会」を行いました。

そんな中で興味深かったのが相撲です。日本相撲連盟(アマチュア相撲の統括団体)が2021年の元日に立川市のステージガーデンで「立川立飛元日相撲」を開催。当日はウェブ配信の他にTOKYO MXが生中継ということでかなりの注目度があったようです。この大会、個人戦のみではありますがインターハイと全国中学校総合体育大会の代替大会として行われたもので、優勝者には高校横綱、中学横綱の証である横綱が例年通り贈られます。ネットで翌日に大会の様子を見ましたが結構盛り上がっていました。関係者しか集まっていないようでしたが熱気が伝わってきました。

望まざる形で実施された大会ではありますが、新春恒例のスポーツイベントとして成長すると面白そうな気がします。高校年代では毎年3月に他の種目と同じような選抜大会が行われているそうですが、これを団体戦のみにして個人戦を「元日相撲」として行うというのはどうでしょうか。選抜大会の優勝者には高校横綱の称号は与えられませんが、夏のインターハイと並び立つ大きなタイトルに育てることは可能かもしれません。

何度も言ってしまいますが、望まざる形ではあってもアマチュア相撲界が盛り上がるきっかけはできるかもしれません。かつてはインターハイと国体もNHKの地上波で放送されていましたが現在放送されているのは全日本選手権(アマチュア横綱を決める大会)だけ。これに加わる存在になれば、と思うのは私だけでしょうか? では、また次回です。
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いよいよ2021年。コロナ禍で大きな混乱があらゆる分野でおこりましたが、その混乱が収拾でき日を待ち望みたいところです。

2020年の夏まではことごとく中止が相次いだ高校スポーツの全国大会。しかし、年末年始の恒例イベントは順次開催されています。どれだけ対策をとればいいのかが見えてきたからといえばそれまでかもしれませんが、モチベーションを取り戻す端緒が見えたともいえるのではないでしょうか?

12月20日には全国高校駅伝。スタート・フィニッシュ地点のたけびしスタジアム京都(西京極競技場)には運営スタッフとチーム関係者しか入れませんでしたが沿道には観戦自粛が呼びかけられたにも関わらず地元の人たちがちらほら(とはいっても例年と比べれば人数は少なかったですが)。「頑張れ」の声はなくても風や日差し、車が走る音の中で走れたことは幸せかもしれません。特別な環境の中で行われた大会は、世羅高校の男女ダブル優勝という快挙でも歴史に残ることになりました。

29日にまで行われた高校バスケウインターカップは無観客開催。会場には関係者だけが立ち入りできる状況だったようですが、その分、会場の装飾が派手だった印象があります。メインスポンサーが、観客が入らないのをいいことにユニークなコピーが書かれた特大の幕を2階席に広げ、対戦チームの関係者が座る席にはソーシャルディスタンスを作るためのパネルも用意していました。「諦めたらそれで圏外」「5Gより速く」「3分あればカップ麺(スポンサーの商品名)も逆転もできる」など、バスケファンならわかる名言をスポンサーの商品と掛け合わせたパロディに仕上げるとは、何とも今風な感じです。

年またぎで行われる高校ラグビーは100回の記念大会。参加チームは埼玉・愛知・福岡の増枠のほか、各県の次点チームの中から勝ち抜いたブロック代表も加わり史上最多の66。1回戦は例年より5分短い25分ハーフとして行われていますが史上5位の129得点という記録も生まれています。年越しを果たす16チームが例年通り決まりました。100回大会のチャンピオンはどうなるでしょうか?

年またぎといえば高校サッカー。例年より1日遅い大晦日からスタート。入場行進は事前に参加校のグラウンドで収録した映像を流し、選手宣誓は大みそかの1試合目を戦うチームの代表がそのチームが試合をする会場で行うという「リモート開会式」で幕を開けました。一般客も準決勝以降受け入れる予定でしたが「新型コロナ第3波」の影響で取りやめになり、選手の父母を含めた関係者だけの入場という対応がとられました。ですが、関係者席からの拍手やベンチからの指示の声がまた新鮮に聞こえました。

これらの大会で得た経験がスポーツの日常を取り戻すためのきっかけ、ヒントになることを祈ります。では、また次回です。
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20日に決勝(最終選考)が行われた「M-1グランプリ2020」で、おいでやすこがが最終決戦にまで残りました。このコンビ、ピン芸人のおいでやす小田さんとこがけんさんが組んだ「ユニット」と呼ばれる形態だとか。コンビとしての活動だけをしているのを「コンビ」、ピン芸人同士だったり元々のコンビの枠を超えて別のコンビを組むケースを「ユニット」と呼ぶようですが、ユニットはコンビよりもネタを磨く深みが少なくなるのか最終選考に残ることも至難の業のようで、「ユニット」が最終選考に残るのは初めてだったというんです。

M-1の場合は結成から15年以内という条件がありますが、ピン芸人のナンバー1を決める「R-1ぐらんぷり」の場合はキャリアの条件はありませんでした。しかし、今月下旬に1次選考が始まる2021年度の大会からはデビュー10年以内というキャリアの条件がつけられました。その条件に小田さんもこがけんさんも合わず2021年度からは参加できなくなるため、M-1に挑戦することになったようなんです。以前コンビ時代に大成しなかった人たちがピン芸人としてR-1にチャレンジし大きな成果を残すというケースがありましたが、今度はキャリア10年を超えるピン芸人同士のユニットがM-1で再チャレンジ、そして席巻なんてこともあるかもしれません。

そういえば、今回のM-1で優勝したマヂカルラブリーの野田クリスタルさんは2020年度のR-1でも優勝しています。更にはキングオブコントでも最終選考に残ったことがあります。本人曰く「トリプルファイナリスト」。こういう人が何年かに1人現れてくれるとお笑いの業界が活性化してくれるのではと期待してしまいます。言葉のキャッチボールで成り立つクラシカルなしゃべくり漫才でないとたとえ面白くても認めないという声もあるかもしれませんが、クラシカルなもの以上のものが生まれるのも期待してもいいのではとも思います。

では、また次回です。
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13日に東京・文京区の講道館で東京五輪の柔道代表最後の1枠を決める試合が行われました。この日に組まれたのはこの試合だけなのに大きな大会のような広告看板や電光掲示板も仕込まれました。無観客で1試合だけなのにここまでやるなんてと思う人もいるかもしれません。ですが、この試合が最激戦で最後の最後まで決められなかった男子66kg級の代表を決める阿部一二三選手と丸山城志郎選手の試合だとすれば、ここまでのことをしても理解できるかもしれません。

もっとすごいと思うのはテレビ東京系列の地上波で75分にわたってこの1試合を中継したということ。まぁ、ボクシングの世界タイトルマッチも1試合のために1時間以上の放送枠を確保しますが、柔道のテレビ中継で1試合だけに75分も割くのは恐らく史上初のこと。阿部選手にしても丸山選手にしても代表になれば金メダル間違いなしという人ですからこれくらいやっても理解できます。試合自体も互いに死力を尽くす激戦になりました。が、指導が飛び交い攻めて得るポイントが互いに入らず、ゴールデンスコア方式と言われる時間無制限の延長に入ってしまい放送時間におさまらなくなってしまいました。ネットでは「試合の敗者はテレ東!」と糾弾されてしまったとか。

こういう時によく言われるのが「NHKみたいにできないの?」。NHKなら地上波でもBSでも編成が許されれば無制限で延長できるし、そうでなくてもサブチャンネルに移して放送を継続できます。民放でも時間延長が難しくてもサブチャンネルに移すことはできるだろうと思うかもしれません。が、民放の場合はスポンサーとの契約などいろいろ制約があって難しいとのこと。TBSの安住紳一郎アナが自身のレギュラー番組「日曜天国」で語ったところだと(記憶の限りですが)、メインチャンネルで放送する番組の画質を落として放送することや試合中継の画質を途中からサブチャンネル用の画質に切り替えることが技術的に難しく、その技術に対応するためにNHKほど人出を割くのも難しいからとのこと。また、スポンサーとの契約で画質を落とすことができない場合もあるらしいです。試合の途中でCMを入れざるを得ないことと同じように民放の宿命と言えるかもしれません。

試合に参加するのは2人きりで居合わせた関係者もごくわずかだったでしょう。雰囲気としては巌流島の決戦というところでしょうか。そういえば、プロレスでは「昭和の巌流島」といわれる戦いがあったそうです。1954年12月22日に行われた力道山と木村政彦のプロレス日本タイトルマッチ。無観客で行われた今回の試合とは対照的に満員の蔵前国技館で行われましたが、10分ほどで力道山が木村をKOしてしまいました。もしも今回の柔道代表決定戦が満員の武道館で行われていたら…。結果が変わるかどうかはわかりませんがただならぬ盛り上がりになったことは間違いないでしょう。

では、また次回です。
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いわゆるコロナ禍の影響でサッカーのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は中東カタールでのセントラル方式開催になりました。といっても、コロナ禍が警戒されるようになる前に少し消化していたため、正確に言うと予選の残りと決勝トーナメントをカタールで集中してやることになったというわけです。

ルヴァンカップもコロナの影響で競技方法が変更されましたが、こちらは予選ラウンドの1巡目だけやった後に一発勝負の決勝トーナメントという流れ。ACLは予選の2回総当たりは維持して決勝トーナメントを一発勝負にしています。なので3日も経たないうちに同じ相手と対戦するなんてことも予選ではあったようです。通常の場合、ACLは国内リーグの日程を縫う形で進められるため試合日程の進め方は五月雨式になり、優勝が決まるまで約7か月かかります。ですが、今回の場合は予選の残りから優勝が決まるまで3週間弱で終わってしまいます。参加チームは短期決戦なのに同じ相手と何度も当たる可能性があるという経験がない展開に苦慮しているかもしれません。

サッカー業界の人たちはこのような形のACLは今年だけだろう、というか、今年だけにしてほしいと思うかもしれません。でも、ある程度修正すれば、セントラル方式でのACLはやってもいいのではないかと思います。大会を最初からやるとすれば予選は1回総当たりになっているでしょう。決勝トーナメントももちろん一発勝負。そうすれば、恐らく3週間弱ですべてが終わるはず。ただ、国内リーグや代表戦の日程と折り合いをつけられればという条件付きになるかもしれません。野球みたいにサッカーには試合が行われない期間が明らかな形で生じることはない。まとまった期間を捻出するのは至難の業といえます。でも、アジアカップのように恒例化するようになれば可能性はあるとも思います。やる方としても移動から移動での疲れがパフォーマンスに影響しなくなるメリットもあるでしょう。野球感覚で言うなとサッカーに詳しい人に言われるかもしれませんが、この形のACLもあっていいのではないでしょうか。

では、また次回です。
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