Jリーグがホームタウン制度を変革することを19日に発表しました。それより前に日刊スポーツが「ホームタウン制度撤廃」とすっぱ抜いたのがきっかけでこの話題が飛び交いました。Jリーグは日刊スポーツが報じたような撤廃まではしないものの、現状に即した改革をしていこうという考えを示したというわけです。

直近に動くのはサッカースクールのホームタウン外での開設。ヨーロッパの巨大クラブがプロデュースするスクールが都市部を中心に日本に設けられたり独占禁止法に抵触する可能性があったりするために早急に手を付けようというわけだそう。マーケティング活動の分野ではグッズ販売やイベント開催をホームタウン外でできるように調整するとのこと。グッズ販売はアウェイの試合会場での販売からとなるでしょう。それからNPB12球団のグッズが集まる東京ドーム前のグッズショップのようなメガストアができるようになるかもしれません。NPBでは阪神だけのグッズショップが神宮球場近くで営業しているそう。神宮のヤクルト戦に阪神ファンが多く集まることに目を付けた球団の戦略には驚きましたが、こういうマーケティング展開をするクラブが現れるでしょうか。

ゆくゆくは…というものはチーム名のネーミングライツ。各チームの担当者と話し合いを持つそうです。女子ではすでにWEリーグとなでしこリーグで導入されているもので、なでしこリーグがトップだったころにはベガルタ仙台レディースのネーミングライツをマイナビが取得、丸山桂里奈さんの最終所属チームだったスペランツァ大阪高槻のネーミングライツをコノミヤが取得といった感じ。また、WEリーグが始まるのにあわせて浦和レッズレディースのネーミングライツを実質的な親会社の三菱重工が取得しています。女子の場合は経済的な基盤がぜい弱なチームがまだあるので仕方がないと思ってましたが、コロナ禍で女子ほどではないにしても経済的な基盤が危ういチームがJにも現れてしまうかもしれません。

NPBは都道府県単位でフランチャイズを決めていますが、Jリーグは基本的に市町村単位でホームタウンを決めています。ただ、中心となる市を明記した上でその市がある県を広域ホームタウンに指定しているチームもあります。この形が基本になってくればいいのではないかとも思います。MLBのように1チームも脱落しないようにするための努力がこの改革でまた動くのではないかと期待しています。では、また次回です。
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J3アスルクラロ沼津の中山雅史選手が昨年限りで退団し、今年から古巣のJ2ジュビロ磐田のコーチを務めることになったとか。13日にテレビ朝日系で放送された「報道ステーション」で「プレーヤーとしてのトレーニングをひとまずお休みさせていただきます」と独特な言い回しで報告するのはゴンさんらしいです。

ゴンさんは2012年に北海道コンサドーレ札幌を戦力外になった時にはメディアは引退するものと決めつけにかかりましたがゴンさんはそれを否定。あくまで次のチームを探しているだけと「浪人」であることを強調していました。解説者としての活動をしつつリハビリ・トレーニングを重ね、3年後にはアスルクラロに加入。引退と決めつけていたメディアは「現役復帰」とはやし立てました。ただ、以前傷めたひざや臀部の影響が残りJ3参入後は公式戦出場はかないませんでした。それでも「引と退の2文字は使いたくない」とあくまで選手活動を休業するという姿勢でいるようです。自分が燃え尽きたとはまだ思っていないようです。

ゴンさんのようなキャリアの積み方ができるのはJリーグとNPBの契約の仕方の違いがあるかもしれません。制度上変わっているところがあるかもしれませんが、私の知る限りでは、JリーグではNPBのようにストレートな戦力外通告ができず「年俸0円」を提示して、引退かJの他のチームへの移籍かそれ以外のカテゴリーのチームへの移籍かを選ばせるような形になっています。NPBの場合は戦力外通告を受けると「任意引退」で完全にユニフォームを脱ぐか「自由契約」で現役復帰の余地を残すかというのが基本線。新庄剛志さんが現役復帰の意思を示した時に最終所属の北海道日本ハムが「任意引退」から「自由契約」に切り替えています。

野球界もNPB以外のカテゴリーのチーム(社会人野球や独立リーグ)へ移籍する道筋がここ20年ほどでできつつありますがまだサッカーほど柔軟とは言い切れません。ゴンさんがここまで頑張り続けています。小宮山悟さんや川崎宗則選手のような人がもっと増えてくれると野球界の形がいい方向に少しずつ変わるかもしれません。

では、また次回です。
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いわゆるコロナ禍の影響でサッカーのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は中東カタールでのセントラル方式開催になりました。といっても、コロナ禍が警戒されるようになる前に少し消化していたため、正確に言うと予選の残りと決勝トーナメントをカタールで集中してやることになったというわけです。

ルヴァンカップもコロナの影響で競技方法が変更されましたが、こちらは予選ラウンドの1巡目だけやった後に一発勝負の決勝トーナメントという流れ。ACLは予選の2回総当たりは維持して決勝トーナメントを一発勝負にしています。なので3日も経たないうちに同じ相手と対戦するなんてことも予選ではあったようです。通常の場合、ACLは国内リーグの日程を縫う形で進められるため試合日程の進め方は五月雨式になり、優勝が決まるまで約7か月かかります。ですが、今回の場合は予選の残りから優勝が決まるまで3週間弱で終わってしまいます。参加チームは短期決戦なのに同じ相手と何度も当たる可能性があるという経験がない展開に苦慮しているかもしれません。

サッカー業界の人たちはこのような形のACLは今年だけだろう、というか、今年だけにしてほしいと思うかもしれません。でも、ある程度修正すれば、セントラル方式でのACLはやってもいいのではないかと思います。大会を最初からやるとすれば予選は1回総当たりになっているでしょう。決勝トーナメントももちろん一発勝負。そうすれば、恐らく3週間弱ですべてが終わるはず。ただ、国内リーグや代表戦の日程と折り合いをつけられればという条件付きになるかもしれません。野球みたいにサッカーには試合が行われない期間が明らかな形で生じることはない。まとまった期間を捻出するのは至難の業といえます。でも、アジアカップのように恒例化するようになれば可能性はあるとも思います。やる方としても移動から移動での疲れがパフォーマンスに影響しなくなるメリットもあるでしょう。野球感覚で言うなとサッカーに詳しい人に言われるかもしれませんが、この形のACLもあっていいのではないでしょうか。

では、また次回です。
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NPBに続いて6月27日からJ2が再開しJ3が開幕、7月4日からJ1が再開。ようやく足並みが揃ってきました。再開当初は無観客での実施になるため各チームはNPB同様に工夫を凝らした盛り上げ方をしているようです。

2015年にJリーグ初の無観客試合を経験している浦和レッズ。この時はサポーターが「日本人以外お断り」との横断幕を掲げたのが問題になりJリーグが1試合だけ観客の受け入れを認めない試合実施を求めたために行われたので、あまり派手な装飾は施されませんでした。しかし今回は別。スタンドには大事な試合がある日に度々見られるコレオグラフィ(人文字)のような装飾が。観客が作る場合は座席ごとに配られたボードをそれぞれ掲げてもらいますが、今回はチームの関係者が座席にビニールシートをかけて観客が掲げている様子を再現したとか。片方のゴール裏には優勝シャーレ、もう片方のゴール裏にはレッズが勝った時に選手とサポーターが一緒になって歌う「We Are DIAMONDS」の一節がそれぞれ掲げられたそうです。

ネットを介したリモート応援に特に力を入れたのは湘南ベルマーレジュビロ磐田ベルマーレはサポーターに応援の指示を出すコールリーダーやチーム関係者と話し合いを重ね、スピーカーを陸上トラックに多く置いて臨場感を出してみたとか。ジュビロは親会社の系列会社の協力を得て独自のシステムを開発して大きな話題になりました。松本山雅FCでは「バーチャル遠征プラン」と銘打って座席に顔写真入りの応援ボードを飾ってもらう企画もありました。ですが、顔出しNGの方に向けたマスコットキャラバージョンが売り出されるとそちらの希望者が殺到したとか。

いろいろな形で盛り上げていますが、7月10日にはJリーグでも観客の受け入れが始まります。会場によっては最大5000人ではなく収容人員の半分が適用される会場もあるようですが、日常がだんだん戻ってくるのを実感できる日も近くなるかもしれません。では、また次回です。
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2020年最初の投稿です。今年もよろしくお願いします。

まずは元日早々驚きました。新国立競技場で最初のスポーツイベントとなったサッカー天皇杯決勝。ヴィッセル神戸が鹿島アントラーズに2-0で勝ち、チーム創設から丸25年で初のタイトルを獲得しました。

記事を見て気付きましたが、三木谷浩史オーナーがヴィッセルの経営に関わったのは2004年で楽天イーグルス創設の前の年だったんですよね。初年度にはトルコ代表のイケメンストライカー・イルハン選手が鳴り物入りで加入したもののケガに泣いて1年で退団してしまい、違う方向で話題を提供してしまいました。その教訓を生かして欲しいという気持ちがあってか、イーグルスの初代GMになったマーティ・キーナートさんは現実主義での補強でメジャー屈指の強豪に成り上がったアスレチックスを描いた本「マネーボール」を三木谷オーナーに送ったとか。三木谷オーナーはイーグルスについて2年か3年である程度の実績を残したかったそうですが、考えたとおりにはなりません。クライマックスシリーズ進出まで5年、日本一まで9年もかかりました。

イーグルスが日本一になるまでには田中将大投手や岩隈久志投手、メジャーの名スラッガーだったアンドリュー・ジョーンズ選手、野村克也監督や星野仙一監督(後の球団副会長)のようないろいろなタレントとの出逢いありました。それと同じようにヴィッセルでもいろいろなタレントとの出逢いがやはりありました。とりわけここ数年の出逢いというのはチームに大きな衝撃を与えたかもしれません。ワールドカップ優勝経験者のイニエスタ選手やビジャ選手、ドイツ代表のポドルスキ選手と、一見すると現実主義からかけ離れているように見える大物が集まりましたが、彼らがチーム全体の意識を高くしたようです。彼らにインスパイアされた選手やスタッフの努力が実り、イーグルスから6年遅れはしましたが大きなタイトルを勝ち取ったわけです。

三木谷オーナーは「Jリーグは世界屈指の選手達が憧れ目指し、日本人選手が海外に渡るのを恥ずかしく感じるようなリーグになって欲しい」と3日付のスポーツ報知に掲載されたインタビューで語っていました。NPBについてもMLBと肩を並べる存在になって欲しいと考えているかもしれません。壮大な夢への第一歩がこのタイトルになるのかもしれません。アジアチャンピオンズリーグでヴィッセルがどんな形で存在感を見せるのか、楽しみになってきました。

では、また次回です。
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